こんにちは。管理人のキノです。
今回は、2024年に読んだ本を紹介します。
何を読もうか悩んでいる人や、どんな本を読んでいるのか気になった方は、ぜひチェックしてみてください。
ファンタジー小説
「後宮の烏2」白川紺子
あらすじ
後宮で生きながら帝のお渡りがなく、また、けして帝にひざまずくことのない特別な妃・烏妃。当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。ある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらす、が――。烏妃をしばる烏漣娘娘とは何か? 烏漣娘娘がおそれる「梟」とは一体誰なのか?
引用元:Amazon.co.jp「後宮の烏2」白川紺子(集英社)
ひとことレビュー
アニメを観て小説を読み始めたけれど、アニメでは追い切れなかった寿雪が烏妃として生きることの皮肉や苦しみがよく描かれていておもしろかった。アニメにはアニメの良さが、小説には小説の良さがあると感じさせてくれた作品。アニメは服装や建物など細かい点まで描かれている点が、小説は心の動きが描かれている点がよかった。(読了日:1月4日)
「後宮の烏3」白川紺子
あらすじ
「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は虚しさから逃れることが出来ずにいた。烏妃の許には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏漣娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて? 他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決め!?
引用元:Amazon.co.jp「後宮の烏3」白川紺子(集英社)
ひとことレビュー
1巻を読み始めた頃は想像していなかったスケールの大きさ。これは単なる後宮物語ではなく、架空ではあるけれど歴史小説と言える作品だと思う。巫術的な要素あり、日本的な神話の要素もあり、しっかりと織りなされた歴史観がある。物語がどう終着するのか、とても楽しみになった。(読了日:1月4日)
「わたしの幸せな結婚 五」顎木あくみ
あらすじ
清霞への想いに気がついた美世。帝都では異能心教の侵出が進み、美世たちは皇太子、堯人の提案で宮城に身を寄せる。過去の記憶から変化を怖れ、想いが告げられない美世は、ある夜、清霞から思わぬ本心を告げられる。
引用元:版元ドットコム「わたしの幸せな結婚 五」顎木あくみ(KADOKAWA)
ひとことレビュー
甘水の手が帝国に忍び寄る不穏さに満ちた回。全体的に重さのあるストーリーだけれど、宮城で女子会催す葉月の逞しさに笑ってしまった。恋情とは確かに強い感情で、時に理性を失ってしまう面倒くさくて怖いものだ。それを怖がってしまう美世の気持ちは理解できた。でも、変わろうとしなければ現状ある幸せも維持することはできないのだろう。続きが気になってしかたない!(読了日:1月21日)
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「わたしの幸せな結婚 六」顎木あくみ
あらすじ
身に覚えのない罪で投獄された清霞。
彼と離ればなれになった美世は、清霞を助けるために一人で軍本部へと向かう。
しかし目的地に着いたその時、彼女の袖を引く者がいた。
振り返った美世が見たのは、清霞そっくりの美少年。彼は清霞の式だという。
式に強引に連れ帰られた美世は、薄刃の家で態勢を調えて出直すことを決める。すべては清霞と再会するため、美世は自力で道を切り開いていく。
そして迎えた甘水との決戦は――。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。
引用元:版元ドットコム「わたしの幸せな結婚 六」顎木あくみ(KADOKAWA)
ひとことレビュー
投獄された清霞の救出に美世が奔走し、甘水と対決する回。このシリーズ一番の見どころはこの巻に違いないと思えるほどの面白さだった。シリアス展開が続いたけど、あとがきに七巻はハッピー巻になると書いてあったので、幸せな2人が見れるのが楽しみでならない。(読了日:1月22日)
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「後宮の烏4」白川紺子
あらすじ
今宵も夜明宮には訪いが絶えない。泊鶴宮の蚕室で、大切な繭がなくなったという宮女……。一方、花娘を通じ城内での謎多き失せ物探しも舞い込んで!? 烏妃を頼る者は日に日に増え、守るもののできた寿雪の変化に言いようのない感情を抱く高峻。やがて二人は真実眠る歴史の深部へ。鍵を握るのは名もなき幽鬼か、あるいは――。圧倒的中華幻想譚、待望の第四弾!!
引用元:Amazon.co.jp「後宮の烏4」白川紺子(集英社)
ひとことレビュー
烏妃が一人で生きなければならないとされた理由がすこしずつ明かされてきた。古代王朝と烏漣娘娘の謎、新興宗教との関係、政治的なきな臭さ。色々なものが絡みあって一つになろうとしている。いよいよ物語が動き出してきた。果たして、寿雪を解放できる日は来るのだろうか?続きが気になる。(読了日:1月24日)
「後宮の烏5」白川紺子
あらすじ
高峻は寿雪を救い出すため、もっとも険しい道を選び、進んでいく。初代烏妃、香薔(こうしょう)の過ちをただすこと。すなわち、香薔が烏妃のなかに閉じ込めた烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)を解放すること。この秋、宮中は慶事に沸いた。同じ頃、先の騒動の影響で夜明宮は、ひっそりと静まり返っていた……。烏妃はひとりで在るもの。先代、烏妃の戒めが、寿雪の胸を刺す。それでも周囲には九九や温螢、淡海たちがいる。寿雪は、抱えたものを守り通すため、烏妃として突きつけられた切ない運命に対峙することを決意して――。圧倒的中華幻想譚。激動の第五弾!
引用元:Amazon.co.jp「後宮の烏5」白川紺子(集英社)
ひとことレビュー
嵐の前の静けさを感じる回だったが、烏漣娘娘の半身の在処に一歩近づいた。他者と共にありたいと願う寿雪の気持ちと、寿雪を救いたいと願う高峻の気持ちがひしひしと感じられ、少し切なかった。終盤は物語が大きく動きだす。寿雪はどうなってしまうのか。気になってノンストップで読んでしまいそう。(読了日:1月26日)
「後宮の烏6」白川紺子
あらすじ
寿雪の銀髪が、衆目にさらされた。その銀髪こそが、前王朝の血を引く証だった。高峻が策をもって隠してきた寿雪の秘密がしられてしまったのだ。同時に、柳寿雪は化け物を退治した美しき巫婆だという評判も城下に広がり始めていた。だが寿雪本人の魂は何処かへと去ってしまい、その肉体に宿り動かしているのは“烏”だった…。
引用元:Amazon.co.jp「後宮の烏6」白川紺子(集英社)
ひとことレビュー
寿雪の立場が大きく変化。舞台も京師を離れ、国中で登場人物それぞれが己の指名を果たすべく動き出す。 果たして寿雪は烏漣娘娘の半身を見つけられるのか。その後どのような道を選ぶのか。 あと1冊でこの物語も終わりだと思うと、すごく寂しい。(読了日:1月26日)
「後宮の烏7」白川紺子
あらすじ
寿雪は千里と之季の安否を知り、烏の半身をさがすため、界島へと向かった。が、対岸の港まで到着すると、海底火山の噴火で島へは渡れなくなっていた。海が荒れていたのも噴火も、烏の半身や鼇の神が海神を刺激したせいだ。そこで出会った花娘の父である海商・知徳は、噴火さえ収まれば舟と水手を貸すと約束してくれる。一方、界島では白雷や海燕子に助けられた千里と之季、楪が海商・序家の屋敷で介抱されていた。千里はまだ意識を取り戻さないものの、昭氏の薬草で快方に向かっている。白雷は烏の半身である黒刀を前に考え込んでいる…。特別な妃が誘う圧倒的中華幻想譚、ここに完結!
引用元:Amazon.co.jp「後宮の烏7」白川紺子(集英社)
ひとことレビュー
大きく広がった物語が急速に1つに繋がり、結末を迎える。寿雪と高峻は真に友だったのだろう。まさに『半身』という言葉がピッタリだった。 久しぶりに本を読んで泣いた。まさか泣くと思っていなかったので、自分で驚いた。 少しの切なさを残しながら、皆それぞれ自分の道を歩んでいく姿にグッときた。大好きなシリーズを読み終わってしまって、寂しい。(読了日:1月26日)
「幽世の薬剤師5」紺野天龍
あらすじ
不老不死の怪異の「死」「人魚」伝承の謎とは? 原因不明の病に倒れた「国生みの賢者」金糸雀(カナリヤ)。彼女を救うため、薬剤師・空洞淵霧瑚(うろぶちきりこ)と破鬼の巫女・御巫綺翠(みかなぎきすい)は「人魚」伝承が残る村へと赴く。そこでは金糸雀と同じ不死の力を持つ一家が次々と怪死する事件が起きていた。数百年の時を生き続けた一族は、なぜ死んだのか。賢者の病にも通じると考えた二人は調査を始めるが……。現役薬剤師が描く異世界×医療×ファンタジー、第5弾。
引用元:版元ドットコム「幽世の薬剤師5」紺野天龍(新潮社)
ひとことレビュー
倒れた金糸雀を救うべく、奔走する空洞淵と綺翠。今回も薬剤知識を基にした推理がとても面白かった。個人的には、時折ピンク色に見える空洞淵と綺翠がかわいかった。1巻からの壮大な伏線が張られていたことが分かったので、全巻読み返したくなった。もう少しで新刊が出るので、早く続きを読みたい!(読了日:2月16日)
「わたしの幸せな結婚 七」顎木あくみ
あらすじ
様々な困難を乗り越えて、ついに迎えた祝言の日。美世は朝から気が気ではなかった。 前日に緊急の呼び出しがあり仕事に向かった清霞が、婚礼のはじまる時刻が近づいても帰ってこないのだ。花嫁衣装に身を包み、「誰よりも私が、明日を心待ちにしている」という清霞の言葉を信じて待つ美世。けれどその裏では、五道と深い因縁のある強力な異形の影が動いていた。少女があいされて幸せになるまでの物語は、婚礼を迎え、幸せな「家族」の物語へ――。
引用元:版元ドットコム「わたしの幸せな結婚 七」顎木あくみ(KADOKAWA)
ひとことレビュー
まさにこの巻こそ「わたしの幸せな結婚」というタイトルにふさわしいストーリー。物語が始まった当初は自信がなくて幸薄だった美世が、清霞と2人で数々の困難を乗り越えて、なんと成長したことか!美世のドギマギする様子もかわいいけど、清霞の愛しくて仕方がない様子にニヤニヤが止まらなかった。この調子で幸せになってほしい。
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「幽世の薬剤師6」紺野天龍
あらすじ
現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)。想いは、世界を越えて。「白銀の愚者」月詠(つくよみ)の暗躍は、姉である「国生みの賢者」金糸雀(カナリヤ)を救うためだった。月詠の目論見通り感染怪異「幽世(かくりよ)の薬師」となった空洞淵霧瑚(うろぶちきりこ)は、彼女の求めに応じ、薬を処方する。だが、それは最悪の結果を招き……。想い人を失い、悲嘆に暮れる御巫綺翠(みかなぎきすい)。想定外の事態に、戸惑い苦しむ霧瑚。二人の運命は再び交わるのか。現役薬剤師が描く異世界×医療×ファンタジー、第1部完結。
引用元:版元ドットコム「幽世の薬剤師6」紺野天龍(新潮社)
ひとことレビュー
これまでの集大成と言っていい内容でとてもおもしろかった。忘れている内容も多かったので、全巻読み返してから読んだらもっと楽しめた気がする。過去と未来が繋がっていく様子が感慨深かった。第2部があるのであれば、ぜひ読みたい。
『本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部「女神の化身XII」』香月美夜
あらすじ
「このライトノベルがすごい!2023」(宝島社刊)
単行本・ノベルズ部門第1位!殿堂入り!
シリーズ累計900万部突破!(電子書籍を含む)「第五部 女神の化身」ついに完結!
引用元:版元ドットコム『本好きの下剋上第五部「女神の化身Ⅻ」』香月美夜(TOブックス)
大人気ビブリア・ファンタジー最新刊!
ひとことレビュー
とうとう読んでしまった、本編最終巻。感無量! エーレンフェスト帰省から就任式が終わるまでのお話はWeb版にはなかったので、すごく楽しめた。時に笑い、時に涙し、大部分においてローゼマインに翻弄され笑わされたシリーズ。 本当に面白かった。大人になってからこんなにハマった本はないかもしれない。
「神の庭付き楠木邸6」えんじゅ
あらすじ
神霊エゾモモンガも楠木邸の暮らしに慣れてきたご様子。「自分でできるもん」とばかりに早くも親離れを頑張り始める!(ちょっと寂しい) かずら橋の建築も順調で、なんて和やかな日々……。と思っていたら、お使いの途中でウツギが神隠しに遭った!? 迎えに行くため、湊たちは遠く離れた伊吹山の神域にお邪魔して……初めて別の山神さんにご挨拶!隣神との賑やかスローライフ第六弾、今回はちょっとだけバタバタですが、変わらず楽しくやってます。
引用元:版元ドットコム「神の庭付き楠木邸6」えんじゅ(KADOKAWA)
ひとことレビュー
楠木邸ののほほんとした雰囲気と、陰陽師たちの疲労困憊具合の対比がすさまじい。スローライフ的な要素と悪霊祓いとて緩急がついていて、読んでいて飽きなかった。また、web版と書籍版で違いがあるのも、同じ話を二度楽しめて得した気分。次巻も楽しみ。
「わたしの幸せな結婚 八」顎木あくみ
あらすじ
五道佳斗の父に対異特務小隊に誘われていた学生時代の清霞。夢と任務の狭間で起きた事件とは……軍人として生きる清霞の原点と「土蜘蛛」との因縁が明らかに。さらに美世と清霞の新婚生活をえがいた短編を収録。
引用元:版元ドットコム「わたしの幸せな結婚 八」顎木あくみ(KADOKAWA)
ひとことレビュー
清霞と土蜘蛛の因縁、美世と清霞の新生活などなどが収められた短編集。 いつもとは違う清霞、葉月、一志視点の話がおもしろかった。そして読者だけでなく、他の登場人物から見ても美世は可愛いのだと再確認してニヤニヤしてしまった。異形との戦闘、新婚生活のニヤニヤ、そして他者から見た2人の様子などが楽しめる読み応えのある作品だった。早く続きが読みたい!
「わたしの幸せな結婚 八」はAudible無料体験の対象作品だよ!
「皇帝の薬膳妃 紅き棗と再会の約束」尾道理子
あらすじ
伍尭國(ごぎょうこく)の北の都、玄武に暮らす少女・董胡(とうこ)は、幼い頃に会った謎の麗人「レイシ」の専属薬膳師になる夢を抱き、男子と偽って医術を学んでいた。しかし突然呼ばれた領主邸で、自身が行方知れずだった領主の娘であると告げられ、姫として皇帝への輿入れを命じられる。なすすべなく王宮へ入った董胡は、皇帝に嫌われようと振る舞うが、医官に変装してこしらえた薬膳饅頭が皇帝のお気に入りとなり――。妃と医官!? 一人二役ファンタジー。
引用元:版元ドットコム「皇帝の薬膳妃 紅き棗と再会の約束」尾道理子(KADOKAWA)
ひとことレビュー
面白いけど今の気分じゃなかったかもしれない…と思いながら読み始めたら、途中から何これ超面白い!とノリノリになって一気読み。董胡と黎司両方の視点から物語が描かれているので、読者としては双方の気持ちが分かって興味深い。そして同時に焦ったい!笑ものすごく続きがきになる終わり方をしたので、早く2巻が読みたい。
「皇帝の薬膳妃 朱雀の宮と竜胆の契り」尾道理子
あらすじ
幼い頃に会った謎の麗人「レイシ」の専属薬膳師になることを夢見て、性別を男子と偽って医学を学ぶも、陰謀に巻き込まれ、正体を隠して皇帝の妃となった董胡。お渡りの日、薄闇で見た皇帝の顔は、憧れの麗人「レイシ」にそっくりだった……。動揺する董胡だが、王宮で、伍尭国の南都・朱雀から輿入れした朱璃姫と仲良くなり、徐々に居場所を見つけていく。
ある日、皇帝の「先読み」の力で、朱雀の地に謎の病が流行る、との先触れがあった。董胡は薬膳師として勅命を受け、調査へ赴くことになったが、そこで思いもよらない出会いが――。
朱雀の地にはびこる、謎の病の原因は!?謎の麗人・レイシの正体は、いったい誰なのか――。物語が大きく動き出す! 壮麗な一人二役アジアンファンタジー絵巻。
引用元:版元ドットコム「皇帝の薬膳妃 朱雀の宮と竜胆の契り」尾道理子(KADOKAWA)
ひとことレビュー
今回も中盤まで乗れなかったけど、それ以降は面白くてスイスイ読めた。王宮で一人二役どころか◯役をこなす董胡。嬉しい出来事もありつつ不穏な空気もあり、続きが気になる。 薬膳料理と難題の解決、時々ドキドキ。楽しかった。
「狐の嫁入り 幽世の薬剤師」紺野天龍
あらすじ
転生薬師と異界の巫女。新たなる物語の、始まり。怪異が跋扈󠄁する異世界「幽世(かくりよ)」へと迷いこんだ薬剤師・空洞淵(うろぶち)霧瑚(きりこ)は、そこで運命の出会いを果たす――。御巫(みかなぎ)綺翠(きすい)。破鬼の巫女である綺翠の力と空洞淵の漢方知識で多くの事件を解決した二人は、世界の理(ことわり)に打ち勝ち、遂に結ばれる。だが、幽世の異変は絶えない。花嫁を襲う「狐」と、怪火現象・狐の嫁入り。その真相は? 現役薬剤師が描く異世界×医療×和風ファンタジー、新章開幕。
引用元:版元ドットコム「狐の嫁入り 幽世の薬剤師」紺野天龍(新潮社)
ひとことレビュー
第二幕の前章譚といった感じ。前巻までのストーリーが壮大だったから、今回は少し物足りなく感じてしまった。 ただ、一章から謎だった人物の存在感が増してきたりと、ストーリーが大きく動き出しそうな予感。 きっと今回の話も壮大なストーリーの種まきに違いないので、次巻が楽しみ。
ミステリー小説
「薬屋のひとりごと」日向夏
あらすじ
大陸の中央に位置する、とある大国。その皇帝のおひざ元に一人の娘がいた。名前は、猫猫(マオマオ)。
引用元:Amazon.co.jp「薬屋のひとりごと」日向夏(主婦の友社)
花街で薬師をやっていたが現在とある事情にて後宮で下働き中である。そばかすだらけで、けして美人とはいえぬその娘は、分相応に何事もなく年季があけるのを待っていた。まかり間違っても帝が自分を“御手付き”にしない自信があったからだ。そんな中、帝の御子たちが皆短命であることを知る。今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
ひとことレビュー
web版も読んだし、アニメも観ているのに書籍版にも手を出してしまった。相変わらずおもしろい。猫猫のツンデレ具合と、壬氏のたまに見せる年相応のデレがかわいい。猫猫の謎解きはもちろんのこと、猫猫と壬氏がこれから築いていく関係性が楽しみ。(読了日:1月10日)
「薬屋のひとりごと2」日向夏
あらすじ
後宮女官を解雇させられた猫猫(マオマオ)は、花街に戻ってきた。しかし、戻るや否や、今度は超美形の宦官壬氏(ジンシ)のお付として、外廷に出仕することになる。壬氏への嫉妬から他の官女たちにからまれ、倉庫の小火、官僚の食中毒、腕利き職人が残した不変な遺言の調査など奇妙な事故や事件が多発する。いろいろな事件が重なりあう中、それらはある一つのことに収束することを猫猫は知る。そこにはある人物の思惑があった。そしてそんな中、壬氏に付きまとう武官羅漢(ラカン)が現れる。変人として有名なこの男は、何かにつけて壬氏に問題を持ってくるようになる。それは、羅漢が古い緑青館の馴染みで猫猫をよく知っていたためであった。猫猫に対してただならぬ執着を持つ羅漢に対して、猫猫の態度は普段と少し違っていた。いつもの飄々とした雰囲気と違う猫猫を気づかい、羅漢から守ろうとする壬氏であるが――。羅漢の本当の狙いとは一体?型破りな薬屋の娘と超美形だがどこか残念な宦官、それに巻き込まれる人々。薬と毒、宮廷と花街、官と妓女、そして過去と現在が交わる中で、物語は紡がれていく。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと2」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
1巻で謎だったことが少しずつ解き明かされて、シリーズものの醍醐味を味わえる作品だった。猫猫の生い立ちや壬氏の立ち位置も見えてきたし、2人の周辺人物も増えてきて、これから物語が大きく広がっていく感じが楽しくてならない。(読了日:1月11日)
「大江戸妖怪の七不思議 桜咲准教授の災害伝承講義」久真瀬敏也
あらすじ
地名や伝承から、その土地の災害を推測する「災害伝承」の第一人者・桜咲竜司は、東京・深川で奇妙な話を聞く。どんな傷も治す河童の秘薬を受け継ぐ、薬局の一人娘が呪われたという。秘薬と呪いの正体とは。関東大震災時に井戸から聞こえた小豆を研ぐような音。誰が何のためにそんな音を立てたのか。謎を解く中で桜咲は、数々の妖怪伝説を吞み込んだ、江戸の町の秘密に辿りつく──。
引用元:版元ドットコム「大江戸妖怪の七不思議 桜咲准教授の災害伝承講義」久真瀬敏也(宝島社)
ひとことレビュー
前回のように歴史的な人物に関係する話が少なかったので、ゾクゾク度は低めだった。ただ、深川や日野など馴染みのある土地の話だったし、時代的にもそう遠くない時期の話(と言っても江戸から大正)だったので、理解はしやすかった。科学で全てを解明することが正しいとは限らないけど、人々に伝わる不思議がどういうことだったのか、科学的な説明がなされるというのは意味のあることなのだろう。民俗学っておもしろい。(読了日:2月2日)
「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信
あらすじ
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。
引用元:版元ドットコム「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信(東京創元社)
ひとことレビュー
アニメ化されるということで、積読になっていた本作を読んでみた。小鳩くんも小佐内さんも、普段小市民っぽく振舞っているのに、時々出てくる『イイ性格』がおもしろい。 いったい、2人はどうして互恵関係を結ぶことになり、小市民を目指しているのか。すごく気になる。口と性格の悪い小鳩くん、見てみたかったな。(読了日:2月3日)
小市民シリーズは2024年7月にアニメ化が決定しているから、その前に原作を読むのもアリだね。
「捜し物屋まやま」木原音瀬
あらすじ
天涯孤独で無職の三井は、放火に遭い家が全焼。途方に暮れていたところ、“捜し物屋”を営む間山和樹に助けられる。和樹は喋れないイケメンの弟・白雄と一緒に、客の失くし物を「占い」で捜す仕事をしているらしい。彼らの知り合いの弁護士・徳広の力も借りて生活を立て直す三井だったが、偶然、放火犯らしき男を見かけ……。ちょっと不思議で怖くて愉快。四人(と一匹)のドタバタ事件簿!
引用元:Amazon.co.jp「捜し物屋まやま」木原音瀬(集英社)
ひとことレビュー
気分が沈んでしまいそうだったので、『ドタバタ事件簿』という謳い文句に惹かれて読んでみた。『これは痛快に違いない!』と思っていたのだけど、結構重めでびっくり!前半は疾走感があるけれど、後半の話はドロっとしたものを感じる。でも、心に重くのしかかって来ないのが不思議だった。(読了日:2月6日)
「鬼棲む国、出雲 古事記異聞」高田崇史
あらすじ
民俗学研究室に所属する橘樹雅は、指導教官の御子神伶二に研究テーマ・出雲について「殆ど理解できていない」と厳しく指摘される。傷つきながら現地へ旅立った雅は、出雲大社、佐太神社などを巡るうちに『古事記』や『日本書紀』の伝える出雲神話に疑問を持ちはじめる。神話に隠された「敗者の歴史」を描く歴史ミステリー。
引用元:版元ドットコム「鬼棲む国、出雲 古事記異聞」高田崇史(講談社)
ひとことレビュー
日本神話の箇所が分からないことだらけ!なのに、おもしろいという不思議。 最初は好きになれなかった雅だけど、御子神の辛辣な言葉をバネに奮闘する雅がだんだん好きになった。 島根に行く人にはぜひ読んでもらいたい1冊。朝廷の内情や製鉄民という視点から古事記を眺めると、とてもおもしろそう。それこそ理解しようとするだけでライフワークになってしまいそうだけれど。(読了日:2月21日)
「夏期限定トロピカルパフェ事件」米澤穂信
あらすじ
小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を! そんな高校2年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは〈小佐内スイーツセレクション・夏〉!? 待望のシリーズ第2弾。
引用元:版元ドットコム「夏期限定トロピカルパフェ事件」米澤穂信(東京創元社)
ひとことレビュー
小市民シリーズ第2弾の、小鳩くんと小佐内さんの日常ミステリー。平穏な話もあれば、『これのどこが小市民だ!』と思う出来事もある。相変わらず、2人ともいい性格をしていておもしろい。とても興味深い結末で、続きがすごく気になる。 シャルロットのグレープフルーツのせ、私も食べたい。(読了日:2月28日)
「宝石商リチャード氏の謎鑑定 ガラスの仮面舞踏会」辻村七子
あらすじ
正義に連れられてみのる、良太、真鈴の3人は岡山へとやってきた。地元中学で教員をしている、正義の友人・谷本の案内で博物館を訪れるためだった。正義に惹かれている真鈴は、正義と谷本の関係が気になって? 中華街で中国人のクラスメイト、そしてヒロシと名乗る人物と体験した関帝誕。そして実家の裏のお屋敷で、リチャードと正義たちとの仮面舞踏会。母と会えないのは寂しさは募るが、正義とリチャードと過ごすたび、みのるの宝物は増えていく。みのるの世界が広がっていく…! 珠玉の夏の物語。
引用元:版元ドットコム「宝石商リチャード氏の謎鑑定 ガラスの仮面舞踏会」辻村七子(集英社)
ひとことレビュー
大好きなシリーズ。すっかり大人のイイ男になった正義。みのるの目から見るとスマートで素敵な大人だけど、ドタバタ大学生だった頃を知っている読者としてはニヤニヤが止まらなかった。笑 外見や思い込みではなく、その人自身を見て向き合うことは難しい。まだ成長途中のみのるの柔らかく、けれど聡い心に気持ちが温かくなった。(読了日:3月5日)
「薬屋のひとりごと3」日向夏
あらすじ
玉葉妃の妊娠により、再び後宮に戻ってきた猫猫(マオマオ)。皇帝の寵妃ということもあって、それは秘密厳守。しかし、女たちの腹の探り合いは日常茶飯事で、しかも、後宮内だけでなく外部からも怪しげな動きが見え隠れする。それとともに、後宮外では壬氏たちが隣国の特使の要求に頭を悩ませていた。特使たちは、数十年前にいたという妓女、それが見たいと無理難題を言ってきたのである。花街の事情に詳しい猫猫に相談を持ちかけてくるが、それは意外な人物であり――。猫猫はその美女にかわる絶世の美人を用意することとなる。茸中毒で死んだ妃、後宮内の廟の秘密、先帝がかかった呪い、その謎を解くにつれ、壬氏が宦官の枠を超えて扱われていることに猫猫は気が付く。そして、猫猫はその壬氏の願いで、後宮を出て北の避暑地へと同行することになる。そこで待っていたのは、腹に一物持った高官たちと再び壬氏の命を狙う者たちだった。猫猫たちは、無事、宮中に戻ることはできるのか!?
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと3」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
web版読んでるのに『こんな話あったっけ?』というのが結構あった。おもしろい。 web版と書籍版を比べたくなる。そしてずっと読んでしまう無限ループに突入しそう。今後の展開が楽しみ。登場人物が増えて整理しずらくなってきたので、そろそろ人物一覧がほしい。
「リボルバー」原田マハ
あらすじ
パリのオークション会社に勤務する高遠冴の元にある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それはフィンセント・ファン・ゴッホの自殺に使われたものだという。だが持ち主は得体の知れない女性。なぜ彼女の元に? リボルバーの真贋は? 調べを進めるうち、冴はゴッホとゴーギャンの知られざる真実に迫っていく。傑作アートミステリ。
引用元:版元ドットコム「リボルバー」原田マハ(幻冬舎)
ひとことレビュー
すごく面白かった。 冴を通じて、ゴッホという人物の輪郭が浮かび上がっていく。どんなに頑張っても絵は売れず、愛する人に受け入れられることもなく、寂しい部屋で孤独に死んだゴッホ。でも、彼には彼の芸術を愛し、支えてくれる弟がいた。恵まれた人生とは言えなくても、不幸ではなかったのではと私には感じられた。絵画に乗せられた気持ちとか歴史とかが文章から伝わってきて、美術館に行きたくなった。
「薬屋のひとりごと4」日向夏
あらすじ
壬氏が宦官ではないと知ってしまった猫猫。後宮内で皇帝以外のまともな男がいるのはご法度、それがばれないようにどきどきする毎日を過ごす。そんな中、友人の小蘭が後宮を出て行ったあとの就職先を探していることを知る。猫猫と子翠はそんな小蘭のために伝手を作るために後宮内の大浴場に向かう。その折、気弱な四夫人里樹妃が幽霊を見たという話を聞いてそれを解決すべく動き出す。一方、翡翠宮では玉葉妃の腹の子が逆子だとわかる。ろくな医官もいない後宮でこのまま逆子を産むことは命に関わると、猫猫は自分の養父である羅門を後宮に入れるよう提案するが新たな問題が浮上する。後宮内で今まで起きた事件、それらに法則があることに気が付いた猫猫はそれを調べようとして――拉致される。宮廷で長年黒く濁っていた澱(おり)、それは凝り固まり国を騒がす事態を起こす。
引用元:Amazon.co.jp「薬屋のひとりごと4」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
話の舞台が大移動し、相関関係が複雑になるので、気合を入れて読む必要がある。 いつもの後宮の話も面白いけど、今回の壮大な陰謀的な話も面白かった。蛙事件の後、不貞腐れる壬氏が可愛い。 そして最後に甘える壬氏も可愛い。
「オロチの郷、奥出雲 古事記異聞」高田崇史
あらすじ
出雲でのフィールド・ワークを終えた橘樹雅は、「出雲の本質は奥出雲にある」という指導教官・御子神伶二のひと言で、奥出雲へ向かうことに。調査を進めるうちに「縁結び」の神々の地だと思っていた出雲の印象が変わっていく。八岐大蛇(やまたのおろち)の正体に気づいた雅は、正史に書かれない敗者の残酷な運命に戦慄する。
引用元:版元ドットコム「オロチの郷、奥出雲 古事記異聞」高田崇史(講談社)
ひとことレビュー
古代史と製鉄の関係がすごく興味深い。日本神話を史実と照らし合わせて解釈する過程がすごく面白い。 ただ、神様や神社の名前がチンプンカンプンになるので、『民俗学ミステリー好きのための入門辞典』みたいなのが切実に欲しい。
「秋期限定栗きんとん事件 上」米澤穂信
あらすじ
あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。――それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい……シリーズ第3弾。
引用元:版元ドットコム「秋期限定栗きんとん事件 上」米澤穂信(東京創元社)
ひとことレビュー
結構物騒な話になってきた。巻数を重ねるごとに小市民から遠ざかってる気がする。どんな結末を迎えるのか、すごく気になる。小さな『噛み合わない』が積み重なって、大きな溝になるのかもしれない。相性というのは難しいものだ。上巻には栗きんとんが出てこなかったので、下巻で出てくれるといいな。
「秋期限定栗きんとん事件 下」米澤穂信
あらすじ
ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ?
引用元:版元ドットコム「秋期限定栗きんとん事件 下」米澤穂信(東京創元社)
ひとことレビュー
続きが気になったので、一気読み。小市民シリーズらしいストーリーだった気がする。 ほうほう、そうきたかと満足の内容だった。話のテンポが合うとか、偽らない自分でいれるとか、そういうのが一緒にいる上で大事になるんだろうな。おいしい栗きんとんも読めて、よかった。
あらすじ
不思議な「捜し物屋」を営む間山兄弟。新たな依頼人は小学生、捜しているのは突然消えた“母親”で──。 待望のシリーズ第2弾!
引用元:版元ドットコム「捜し物屋まやま2」木原音瀬(集英社)
ひとことレビュー
霊感を使って捜し物屋を営む兄弟のドタバタ事件簿の第2弾。 前回の終わり方からしてダークな感じになるかと思いきや、序盤はあらすじ通りドタバタして面白かった。でも、終盤は切なくてたまらなかった。泣いた。 次巻で完結。ちょっと寂しい。
「薬屋のひとりごと5」日向夏
あらすじ
子の一族の反乱がおさまり、宮廷では皇子が生まれたことで玉葉妃が正室になった。壬氏もまた、宦官ではなく皇弟として政を行うこととなる。一見、何事もなく平和におさまったかに見えたが、都にはすでに不穏な空気が漂っていた。猫猫はといえば、謎の毒菓子事件、蝗害への不安、紙の村の所有権問題……いつものごとく巻き込まれ、首を突っ込むことになる。また、壬氏からの命令で、玉葉后の故郷、西都へと向かうことになった。色とりどりの花たちが咲く舞踏会で何者かの陰謀が渦巻いていく。猫猫はその思惑を暴くことができるだろうか!?
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと5」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
花街でのにぎやかな生活や、壬氏の態度の変化が楽しい。阿多目線の終話も、すごく興味深かった。 物語としては大きな出来事の序章的位置づけだったのかなと思うけど、最後に叫びたくなる展開が!ニヤニヤしてしまった。
「刑事ダ・ヴィンチ」加藤実秋
あらすじ
警視庁楠町西署の刑事、小暮時生は四人の子を育てながら、家事に仕事に奮闘する日々を送っていた。そんなある日、季節外れの人事異動で本庁から一人の刑事がやって来る。黒のスリーピーススーツに深紅のスケッチブックを携えたその男の名は、南雲士郎。「ダ・ヴィンチ刑事」とあだ名される彼は、東京藝術大学絵画科卒という異色の経歴の持ち主だった。小暮は南雲とバディを組むことになるが、二人には十二年前にコールドケースとなった連続猟奇殺人事件を共に追っていた過去があり……。アート推理で謎を解く、新感覚の警察小説シリーズ開幕!
引用元:版元ドットコム「刑事ダ・ヴィンチ」加藤実秋(双葉社)
ひとことレビュー
たくさん美術作品が出てくる。私はアートに詳しくないので調べながら読んだけど、アートと推理の組み合わせはすごくおもしろかった。主人公の相棒、藝大卒の南雲刑事はなかなかのクセ者で少しイラっとするタイプなので、そこは好き嫌いが分かれるかもしれない。
「捜し物屋まやま 3」木原音瀬
あらすじ
捜し物屋を営む兄弟への新たな依頼は自転車捜し。それは思いがけない事件を招き──。白雄の出生の秘密に迫る第3巻。シリーズ完結!
引用元:版元ドットコム「捜し物屋まやま3」木原音瀬(集英社)
ひとことレビュー
悪意と善意が違和感なく同時に描かれていて、シリアスさとコミカルさのバランスが絶妙だった。笑ったかと思うとすごく重い展開があって、その後は涙してほっこりする。1冊でそんな感情を全て味わえる稀な作品。そして、ハッピーエンド好きとしては、最後にひと笑いできたのがすごくよかった。
「薬屋のひとりごと6」日向夏
あらすじ
西都にて、壬氏に求婚された猫猫。今まであやふやだった関係が大きく変わろうとしていた。今までと変わりなく接したい猫猫に壬氏は焦る。皇弟として、政に関わる者に恋という自由はない。猫猫もまた、壬氏の心を知りつつも、己の立場を考えると首を縦に振ることはできない。軍師羅漢の縁者、それが西都で用意された猫猫の肩書だった。猫猫は重い気持ちのまま、ある決断をくだすのだが-------。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと6」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
最初は猫猫がちょっと冷めた様子で謎解きをするのがおもしろかったけど、人間らしく熱くなったり弱みを見せたりする猫猫もすごくいい。いつか、恋してままならなくなっている猫猫も見てみたい気がする。白娘々関連の事件がどれほど広がっていくのか、今後の展開に期待。
「薬屋のひとりごと7」日向夏
あらすじ
里樹妃との一件が片付いたのもつかの間、猫猫の元に高順が厄介ごとを持ってやってくる。どんな用事かと言えば、猫猫に女官試験を受けないかというものだった。猫猫は、半ば強制的に試験を受ける羽目になる。新しく医官専属の女官となった猫猫の前に現れるのは、面倒くさい変人軍師に厳しい上司の医官たち、それと同僚たる同じ女官たちだが――。猫猫は同僚たちにお約束の通り嫌がらせを受ける。特に、女官の首領である姚(ヤオ)は猫猫に対して突っかかってくるのだった。。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
花街の騒がしい感じも好きだったけど、後宮で起こる事件はちょっと陰謀めいていてやはりおもしろい。「これはどういうことだろう…」と悩ませられて、終盤にまたしてもニヤニヤの展開が!もはや終盤でニヤニヤするのがお約束になりつつあるけど、亀の歩みでしか進まない壬氏と猫猫の関係も謎解きと同じくらい楽しい。
「京の怨霊、元出雲 古事記異聞」高田崇史
あらすじ
橘樹雅は研究テーマ「出雲」を追い、京都を訪れる。
かつて出雲族の集落があったという下鴨神社の周辺には「怨霊の寺」出雲寺をはじめ、出雲路橋、出雲井於(いのへ)神社など今も出雲だらけ。
引用元:版元ドットコム「京の怨霊、元出雲 古事記異聞」高田崇史(講談社)
糺(ただす)の森で起きた殺人事件を機に「言霊(ことだま)」の力を理解した雅は、朝廷がまつろわぬ民=出雲族にかけた「呪い」の正体を解き明かす。
ひとことレビュー
毎度のことながら、民俗学の部分が難しい。でも、分からないなりにおもしろくてやめられない。神話を史実に照らして解釈すると、きっと壮大なファンタジーのようにおもしろいんだろうな。歴史の部分は内容もおもしろさも充分なので、現実世界の事件ともうちょっと融合しれてくれると、とっつきやすくていいなと個人的には思う。今回の警察関係者は「神の時空」シリーズの登場人物のようなので、そちらも読んでみたくなった。
「能面検事」中山七里
あらすじ
大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で〈能面〉と呼ばれている。新米事務官の総領美晴と西成ストーカー殺人事件の調べを進めるなかで、容疑者のアリバイを証明し、捜査資料が一部なくなっていることに気付いた。これが大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに発展して――。一気読み必至の検察ミステリー!
Amazon.co.jp「能面検事」中山七里(光文社)
ひとことレビュー
ポーカーフェイスの検察官。言動が冷たく感じることもあるけど、冷静で理性的な判断を下していくところがかっこいい。検察官の仕事の流れはストーリーの中で説明してくれるし、美晴の視点が一般人と同じ目線で疑問を共有してくれるので、法曹関係の物語にありがちな分かりにくさがほとんどなかった。読者が推理するためのヒントもちょうどいい具合に散りばめられており、最後まで楽しめた。
「薬屋のひとりごと8」日向夏
あらすじ
毒で体調を崩した姚が医局勤めに戻れるようになった頃、猫猫のもとに大量の書物が届いた。送り主は、変人軍師こと羅漢。碁の教本を大量に作ったからと、猫猫に押し付けてきたらしい。興味がないので売り飛ばそうかと考える猫猫の考えとは裏腹に、羅漢の本によって、宮中では碁の流行が広がっていくことになる。一方、壬氏はただでさえ忙しい身の上に加えて、砂欧の巫女の毒殺騒ぎや蝗害の報告も重なり、多忙を極めていた。そんな中、宮廷内で碁の大会が企画されていることを知った壬氏は、羅漢のもとに直接交渉をしかけに行く。開催場所を壬氏の名前で提供する代わりに、サボっている仕事をこなすように説得するのだが――。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと8」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
高順の家族が多数出てきて、家庭内の様子が垣間見えて楽しかった。そして自分の望みを叶えるために、あの手この手を考える壬氏がかわいい。キャラクターにどんどん人間味が増して魅力的になっていくのは、長く続くシリーズものの醍醐味だなと思う。このシリーズでは、毎回終盤にあっと言わせる話があるけど、今回も例に漏れず最後まで楽しませてくれた。早く続きが読みたい。
「薬屋のひとりごと9」日向夏
あらすじ
壬氏の一世一代の行動の結果、とんでもない秘密を共有することとなってしまった猫猫。折しも後宮は年末年始の休暇に入る時期。実家に帰りたくない姚は、猫猫の家に泊まりたいと言い出した。とはいえお嬢様を花街に連れていくわけにもいかず、姚と燕燕は紹介された羅半の家に泊まることになる。一方、口外できない怪我を負った壬氏のために、猫猫は秘密裏に壬氏のもとに通わなくてはならなかった。できる範囲で治療を施していくが、医官付き官女という曖昧な立場に悩まされる。壬氏が今後さらに怪我を負わないとも限らないが、医官にはなれない猫猫は医術を学ぶことはできない。そこで、羅門に医術の教えを乞おうと決めるのだが――。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと9」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
前から少しWeb版とは違うストーリー展開があったりしたけど、前巻に生じたWeb版にはない出来事で、だいぶ話の内容が変わった気がする。着地地点は同じでも、途中経過や心情に違いが出てきそう。こういう違いが面白いなと思う。そして今回も最後にニヤニヤ話が!毎回、これが楽しみ。
「薬屋のひとりごと10」日向夏
あらすじ
無事に西都に到着した猫猫。環境は変化しても仕事は相変わらずで、薬屋として、また医官手伝いとして働いていた。どこに行っても呑気なやぶ医者に、何を考えているかわからない新人医官・天祐。猫猫は、壬氏の火傷が二人にばれないようにとひやひやしながら西都での日々を過ごしていた。 壬氏もまた皇弟として政務をこなす毎日だが、西都側は壬氏を名前だけの権力者として扱っていた。そんな中、猫猫は農村部を視察するために連れて来られた羅半兄とともに農村へ行くことに。視察するにあたって、かつての羅漢の部下・陸孫が動いていることに気付く。彼は、中央とは異なる農村部のやり方に疑問を持っていた。一方、かつて起こった大蝗害の生き残りの老人と出会うのだが—–。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと10」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
大筋はweb版と同じだったけど、馬閃の話にビックリ!これからどうなるのか、すごく気になる…。そして、今回は蝗害の話があったので、いつものニヤニヤ話は少し控え目。表紙の猫猫の表情が事態の重さをよく表していると思う。陰謀術数あり、恋愛あり、ギャグありとこんなに多方面から楽しめる作品も珍しいの内科と思うくらい、面白い。次巻も期待。
「薬屋のひとりごと11」日向夏
あらすじ
戌西州を襲った大蝗害。過去の蝗害を知る者は少なく、人々は混乱する。西都や国境近くでも、食糧の強奪や暴動が頻繁に起きていた。猫猫は何もできない自分を歯がゆく思いつつも、できる限りのことをやっていた。それは中央からの客人である壬氏も同様で、身の安全のためという名目の軟禁生活を強いられながらも、蝗害を予見していたことで、中央からの支援物資を早く受け取ることができた。だが、その手柄は壬氏ではなく西都の領主代行・玉鶯のものとして扱われてしまう。手柄の横取りに猫猫は腹を立てるが、当の壬氏はどこ吹く風で、皇弟という立場を最大限に利用して戌西州への支援要請を行うのだが—-。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと11」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
玉鶯の野望や戌の一族滅亡の秘密など、ハラハラする展開で一気読み。羅半兄の活躍、猫猫の謎解き、壬氏の尽力、ある人物の出自などなど、読みごたえ抜群の1冊だった。登場人物のキャラがみんな濃くて、それぞれ魅力的なのが本当にすごい。羅半兄も充分いいキャラしてるから、早く本名出してあげてほしい。笑
「鬼統べる国、大和出雲 古事記異聞」高田崇史
あらすじ
橘樹雅(たちばなみやび)は研究テーマ「出雲」を調査するうちに、国を追われて京都に連行されていた出雲族の存在を知る。
在野の研究者・金澤千鶴子(かなざわちづこ)に、大神(おおみわ)神社の主祭神・大物主(おおものぬし)神が素戔嗚(すさのお)尊同様「出雲」の神だと聞いた雅は、奈良に出雲族の痕跡を探し求める。
二人を監視する何者かの不穏な動き。
引用元:版元ドットコム「鬼統べる国、大和出雲 古事記異聞」高田崇史(講談社)
大和に存在した出雲村と野見宿禰(のみのすくね)伝説が、雅を真相へ導く。
神話に秘匿された出雲王朝の真の姿が蘇る。
出雲編完結!
ひとことレビュー
毎度のことながら、内容が難しい。本文だけでは理解したり、頭の中で想像しながら読むのが難しいので、調べものが必須。難しいし読むのに時間がかかるけど、でもおもしろい。理解できるよう真面目に読んだら、なかなかの勉強になるに違いない…。『出雲なのに奈良?』と思うかもしれないけど、シリーズ通して読むと『そういう捉え方もあるのか!』とおもしろく感じるはず。どこまで史実に合うのか分からないけど、私はおもしろかった。
「能面検事の奮迅」中山七里
あらすじ
学校法人に対する国有地払い下げに関して近畿財務局職員の収賄疑惑が! 大阪地検特捜部が捜査を始めるが、今度は担当検事による文書改竄疑惑が浮上する。相次ぐ不祥事に最高検から調査チームが派遣され、一級検事の不破俊太郎も特捜部の調べに加わることに――。どんな圧力にも表情を変えぬ<能面検事>が、事務官の総領美晴とともに難事件の真相を追う!
引用元:版元ドットコム「能面検事の奮迅」中山七里(光文社)
ひとことレビュー
今回もおもしろかった。 もしかして…という推測が当たると嬉しい。でも、その推測以上の展開があるとワクワクして読む手が止まらない。そんな本だった。 人間関係を円滑に進めるために人は嘘をつく。それは当たり前のことだと私は思うけど、検察官のような確たる正義が求められる仕事では、信念のみに注視して何者をも慮らない態度というのも必要なのかもしれない。自分の中に確たる信念がある人は強い。 次巻も楽しみだ。
「警視庁文書捜査官」麻見和史
あらすじ
警視庁捜査第一課文書解読班──文章心理学を学び、文書の内容から記述者の生まれや性格などを推理する技術が認められて抜擢された鳴海理沙警部補が、右手首が切断された不可解な殺人事件に挑む。
引用元:版元ドットコム「警視庁文書捜査官」麻見和史(KADOKAWA)
ひとことレビュー
文章の内容から様々な情報を読み取って事件を解決する、文書解読班の活躍を描いた話。 少しこじつけのように感じてしまう箇所がないわけではなかったけど、言葉から事件を読み解く視点が面白かった。理沙と矢代が今後どんなチームになっているのか楽しみ。
「体育館の殺人」青崎有吾
あらすじ
雨の放課後、体育館での殺人事件に挑む、高校生探偵・裏染天馬の活躍。“平成のエラリー・クイーン”こと青崎有吾記念すべきデビュー長編。大幅改稿で贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。
引用元:版元ドットコム「体育館の殺人」青崎有吾(東京創元社)
ひとことレビュー
驚いた。すごくおもしろい。 学校が舞台だからのほほんとした話かと思いきや、超本格的な推理小説。時間推移が細かいし、怪しげな容疑者も数人いて、海外のミステリー小説を読んでいる時と同じ気分になった。探偵役の裏染がダメ人間過ぎて笑えた。面倒だからと説明しない探偵役は初めて。シリーズ制覇せねば。
「体育館の殺人」はkindle unlimiteの対象作品だから、会員は追加料金なしで読めるよ。
audible無料体験の対象作品でもあるから、audibleで聴いてみるのもありだね!
Kindle Unlimited30日間の無料体験はこちら
Audible30日間の無料体験はこちら
「水族館の殺人」青崎有吾
あらすじ
夏休み真っ直中の8月4日、風ヶ丘高校新聞部の面々は、取材先の丸美水族館で驚愕のシーンを目撃。サメが飼育員の男性に食いついている! 警察の捜査で浮かんだ容疑者は11人、しかもそれぞれに強固なアリバイが。袴田刑事は、しかたなく妹の柚乃に連絡を取った。あの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。“若き平成のエラリー・クイーン”が、今度はアリバイ崩しに挑戦。
引用元:版元ドットコム「水族館の殺人」青崎有吾(東京創元社)
ひとことレビュー
裏染天馬シリーズ第2弾。 仙堂警部の苦虫を嚙み潰したような顔が想像できて、思わず笑ってしまった。そして何より裏染のダメ人間っぷりが気持ちいい。 今回は全然犯人分からなかったけど、それはそれでおもしろかった。ただ、犯人の動機にイマイチ納得できなくて、そこは不完全燃焼。
「水族館の殺人」はaudible無料体験の対象作品だから、audibleで聴いてみるのもありだよ!
「図書館の殺人」青崎有吾
あらすじ
期末テスト中の慌ただしい9月、風ヶ丘図書館で死体が発見された。閉館後に侵入した大学生が、山田風太郎の『人間臨終図巻』で撲殺されたらしい。しかも現場には一冊の本と謎のメッセージが残されていた。警察に頼まれ独自の捜査を始めた裏染天馬は、ダイイングメッセージの意味を解き明かせるのか? ロジカルな推理、巧みなプロットで読者を魅了する〈裏染シリーズ〉第4弾。
引用元:版元ドットコム「図書館の殺人」青崎有吾(東京創元社)
ひとことレビュー
裏染天馬シリーズ第4弾。 短編集を飛ばして読んでしまった。期末テストの片手間に(期末テストも片手間か?)事件を見事解決。私のポンコツ推理は大外れして、終盤の展開に驚愕。おもしろかった。
「図書館の殺人」はaudible無料体験の対象作品だから、audibleで聴いてみるのもありだよ!
「マル暴甘糟」今野敏
あらすじ
史上最弱?の刑事登場!撲殺事件の裏にあるのは暴力団の抗争か、半グレの怨恨か-弱気な刑事の活躍ぶりに笑って泣ける、著者会心作!
引用元:版元ドットコム「マル暴甘糟」今野敏(実業之日本社)
ひとことレビュー
気弱な刑事が主人公のマル暴シリーズ第1弾。 捜査対象や先輩刑事にビビりながらも対等にやり合う主人公の様子がコミカルで笑える。登場人物たちが地道に捜査をして犯人にたどり着くストーリーが、奇をてらっていなくて良い。登場人物たちと共に犯人に近づきつつ、『犯人はこの人なんじゃ…』と読者の私は根拠のない推理をして楽しめた。2巻目も楽しみ。
「マル暴甘糟」はaudible無料体験の対象作品だから、0円で聴くことができるよ!
「マル暴総監」今野敏
あらすじ
「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせの、史上“最弱”の刑事・甘糟が大ピンチ!? 北綾瀬署管内で起きた半グレ殺人事件の捜査線上に浮かんだ意外な人物。捜査本部でただひとりその正体を知る甘糟は、現場にふらりと現れる男に翻弄されることに――。笑って泣ける痛快〈マル暴〉シリーズ待望の第2弾。映画化『任侠学園』の阿岐本組の面々も登場!
引用元:Amazon.co.jp「マル暴総監」今野敏(実業之日本社)
ひとことレビュー
マル暴シリーズ第2弾。読んで納得のタイトル。 『こんな警視総監、嫌だ!』と笑いながら思った。読んでる分には面白いけど、振り回される甘糟がなかなか不憫。今回は怠けているようで切れ者の郡原の活躍がカッコよかった。第3弾もあるようなので、それも読んでみようかな。
「マル暴総監」はaudible無料体験の対象作品だから、0円で聴くことができるよ!
「雨宮兄弟の骨董事件簿3」高里椎奈
あらすじ
港町の片隅にある雨宮骨董店。
24歳のディーラー・雨宮陽人は不思議な力を持つ弟・海星と、骨董品の鑑定を引き受けている。
なにかと二人の世話を焼く刑事、本木匡士と共に両親が巻きこまれた事件を解決して間もなく、雨宮骨董店にとある変化が。人嫌いの海星が積極的に人と関わり始めたのだ。
弟の成長を喜ぶ陽人だったがひとつのチェストの存在に兄弟の心は揺れて……?互いを想いあう心が胸を打つ、美しきアンティークミステリ!
引用元:版元ドットコム「雨宮兄弟の骨董事件簿3」高里椎奈(KADOKAWA)
ひとことレビュー
引きこもりがちだった海星が一歩踏み出して、少しずつ外の世界へ。誰かの役に立ちたいんじゃない、たった一人の特別な人のために頑張る海星の気持ちを思うと、何だか少し切なかった。そして今回、初めて海星の出自に仮説が立った。ファンタジックな仮説が出てくるなんて思っても見なかったので、すごくビックリ。本当なところはどうなの?これからどうなるの?どうなったの?という終わり方だったので、続きが読みたい病にかかってしまった。
「薬屋のひとりごと12」日向夏
あらすじ
玉鶯は、蝗害は異民族のせいで起きたと憤る民を鎮める名目で、砂欧に戦争を仕掛けようとしていた。壬氏は戦を避けようと頭を悩ませていたが、玉鶯の暗殺という思わぬ形で戦を回避することになる。しかし、領主代行を失った西都の舵を取る者がいない。壬氏は、いやいやながら西都の政務を執ることになった。 猫猫は、心身ともに疲弊する壬氏を気遣いながら、怪我人や病人を診る日々を送っていた。そんなある日、壬氏は、領主代行だった玉鶯の息子たちを、西都のために後継者として政治を教え、育成してほしいと頼まれる。しかし、玉鶯の長男・鴟梟はどうしようもない無頼漢であった。他の二人も後継者教育を受けたことなどないことがわかり、猫猫は頭を抱えてしまうのだが—-。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと12」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
ようやく羅半兄の名前が判明。笑 終盤の雀の話が壮大過ぎて、web版で読んでいたのに驚愕。そして師匠については全く覚えてなかったので、初めてのように驚いてしまった。猫猫と壬氏の関係性も少し変わりそうな予感がして、続きが楽しみ。今回もおもしろかった。
「能面検事の死闘闘」中山七里
あらすじ
南海電鉄岸和田駅にて、無差別殺人事件が発生。7名を殺害した笹清政市(32)は、自らを“無敵の人”と称する。数日後、大阪地検で郵送物が爆発、6名が重軽傷を負った。被疑者〈ロスト・ルサンチマン〉は笹清の釈放を求める。事件を担当する大阪地検の不破俊太郎一級検事は、調査中に次の爆発に巻き込まれ――連続爆破事件は止められるのか? 〈ロスト・ルサンチマン〉の真の目的は何なのか? 大人気検察ミステリー待望の第3弾!
引用元:Amazon.co.jp「能面検事の死闘」中山七里(光文社)
ひとことレビュー
初っ端からすごい事件が立て続けに起こってビックリ!そしてまさに能面検事の死闘。シリーズの中で一番おもしろかったかもしれない。ハラハラを通り過ぎ、犯人が判明するとやるせない、悲しい事件だった。次巻も読みたい。そしてできるなら、不破検事の笑顔が見てみたい。
「薬屋のひとりごと13」日向夏
あらすじ
西都に残る人たちと別れ、一年ぶりに中央に帰ってきた猫猫たちは、また以前の仕事に戻る。蝗害、西都のお家騒動からようやく離れることができて、平穏な日々が戻ってくるかに思えたが――。猫猫が帰って来てもまだその友人たちに居候されて困る羅半。上司のげんこつを食らいながら、毎日面白そうなものを探す天祐。面倒くさい客の相手をしながら、どのように技女を引退するか考える女華。弟の恋についてあれこれ画策する麻美。お嬢さまの心境に不安しかない燕燕。言動と心境にずれが生じ、ちぐはぐな行動ばかりしてしまう姚。蝗害の災禍にたった一人立ち向かい、生きて西都に戻った羅半兄。西都でも中央でもそれぞれ違う人生があり、皆が皆、自分なりの悩みを抱えて生きていた。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと13」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
猫猫の周辺人物の視点で語られる話がおもしろかった。こういうのがあると、web版を読んでいても、もう一度書籍版で読み返したくなる。特に女華視点の話は、猫猫が歩んでいたかもしれない別の道や、今の猫猫が苦労しつつも幸せな人生を歩んでいること、周りの人から大切に思われていることが分かって嬉しくて切なくなる。関係が変わった壬氏と猫猫の様子、馬閃の淡い恋、羅の一族の変わりっぷりなどなど読み応え抜群の巻だった。
「マル暴 ディーヴァ」今野敏
あらすじ
史上最強の歌姫(ディーヴァ)とまさかの潜入捜査!?
弱気な甘糟刑事の活躍に笑って泣ける〈マル暴〉シリーズ最新作!マル暴なのに弱腰な刑事・甘糟達男は、コワモテの上司・郡原虎蔵と、麻薬売買の場と噂されるジャズクラブに潜入する。ステージで美しい歌声を披露する歌手・星野アイに魅了される二人だが、彼女の正体を知って――。〈任侠〉シリーズの阿岐本組の面々や警視総監も登場、予測不能の展開に。『マル暴甘糟』『マル暴総監』に続く〈マル暴〉シリーズ第3作、いっときも目が離せない!
引用元:版元ドットコム「マル暴 ディーヴァ」今野敏(実業之日本社)
ひとことレビュー
いつも通りの捜査のはずだったのに、なぜか大事になってしまう甘糟刑事。巻き込まれ体質がおもしろい。警察官が主人公だと、正義感が強くて、強靭な肉体と精神の持ち主で…と精悍なイメージを抱きがちだから、ちょっと頼りなくて気弱で、面倒事は勘弁願いたい…という甘糟刑事がすごく新鮮。周辺の登場人物の方がキャラが濃いのに、パッとしなさそうな主人公がきちんと主人公してるおもしろさ。すごい。
「古事記異聞 陽昇る国、伊勢」高田崇史
あらすじ
神社の屋根にある千木、鰹木。一般的には、その形や数で祀られているのが、女神か男神かわかるとされるが、伊勢ではそれはあてにならない。女神を祀る神社が男神仕様であったり、またその逆も数多く存在する。日枝山王大学民俗学研究室の院生・橘樹雅は、学会出席のため三重へ向かう准教授・御子神伶二に同行。はじめての伊勢で大きな衝撃を受ける。
引用元:版元ドットコム「古事記異聞 陽昇る国、伊勢」高田崇史(講談社)
ひとことレビュー
古事記異聞シリーズ第5弾。今回から伊勢編。 伊勢のガイドブック片手に読むべき本。ぼんやりしたイメージしかないせいで、調べながら読んだら、時間がかかってしまった。 自分の知らない世界を見せてくれる本っておもしろい。せっかくだから、神社や神様、朝廷の関係について書かれている本も次巻を読む前に読みたい。事実を知って読んだ方が、きっとおもしろいはず。いつか聖地巡礼ならぬシリーズに出てくる神社巡り、したいなぁ。
「密室法典」五十嵐律人
あらすじ
霞山大学の法学部から、同大学のロースクールへと無事に進学した古城行成。古城が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)は、自称助手の経済学部四年、戸賀夏倫と、法学部四年、矢野綾芽を交わえ、持ち込まれた法律が関わる事件を解決する自主ゼミである。
引用元:版元ドットコム「密室法典」五十嵐律人(KADOKAWA)
密室状況にある模擬法廷の証言台の前で、恐竜の着ぐるみが倒れていた監禁事件、2通の遺言書を作成した医者の不審死とダイイングメッセージの謎、官庁訪問の会場で相談された雪山での遭難事件などの経験を通じて、古城たちは少しずつ、法の真理と人間への洞察を深めていく。
ひとことレビュー
「六法推理」の続編の連作短編集。前作では法学部の大学生が無料法律相談をするという新しい設定に引かれたけど、今回は古城が法科大学院生になっているので、『え、大学生が法律相談?!』という驚きは薄れている。私の好みとしてはもう少し古城くんに活躍してほしかった。でも、古城以外の視点があることで、登場人物たちに深みが出た気がする。その点は新鮮で楽しかった。そしてエピローグでまさかの展開。続きが知りたい!
「凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI」北森鴻
あらすじ
「異端の民俗学者」と呼ばれる蓮丈那智の研究室には数々の依頼が舞い込む。助手の内藤三國と共に那智が赴くと、なぜか調査は事件へと変貌する。激しく踊る祭祀の鬼。凶々しい笑みの面の由来。丘に建つ旧家の離屋に秘められた因果。三國が遭遇した死亡事故の顛末。才能と美貌を兼ね備えた那智の推理は深淵に潜む真実を炙り出す。過去と現代を結ぶ殺人事件に民俗学的考察が冴え渡る5篇。北森鴻の代表シリーズ、待望の再始動!
引用元:版元ドットコム「凶笑面 蓮丈那智フィールドファイルI」北森鴻(KADOKAWA)
ひとことレビュー
民俗学×殺人事件のミステリー短編集。神話や伝承は事実が基になっているのかもしれない…という推察がおもしろい。表に出せない事実を暗喩しているのか、不都合な事実を隠すためなのか。短編集なので1話が短くて読みやすい。けど、おもしろいからこそ、ひとつひとつの話に繋がりがあればもっと楽しめるのにと思ってしまった。三國から見た那智の姿はイメージばっちりなので、いつか那智から見た三國を見てみたい。
「巴里マカロンの謎」米澤穂信
あらすじ
ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました!」「えっ、また?」お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰ってきます。人気シリーズ11年ぶりの最新刊、書き下ろし「花府シュークリームの謎」を含めた番外短編集。四編収録。
引用元:版元ドットコム「巴里マカロンの謎」米澤穂信(東京創元社)
ひとことレビュー
小市民シリーズ第4弾の番外編短編集。 パリのマカロン、ニューヨークチーズケーキ、ベルリンのあげパン、フィレンツェのシュークリーム。甘くておいしいスイーツの裏側にある苦い秘密や不運なアクシデント。ちょっぴりダークな小佐内さんと相変わらずな小鳩くん。小市民とは?今回も楽しませてもらいました。完結巻が楽しみ。
「パリ警視庁迷宮捜査班」ソフィー・エナフ
あらすじ
停職処分が明けたばかりのパリ警視庁警視正アンヌは、新結成される捜査班の班長になった。しかし、集められたのは警視庁の落ちこぼれ、曲者ばかり。一癖も二癖もあるメンバーとともに、アンヌは20年前のフェリー沈没と二件の未解決殺人事件の不可解な謎を追う
引用元:版元ドットコム「パリ警視庁迷宮捜査班」ソフィー・エナフ(早川書房)
ひとことレビュー
停職明けの女性警視正が厄介者ばかりで出来た新班を率いて事件を解決する話。 まず設定が面白い。女性警視正のアンヌは一見正統派の主人公だけど、不完全な面がちらほら垣間見えて、それが彼女をすごく人間らしく見せている。また、バラバラな事件が繋がっていく過程は読み応え抜群だった。街中の描写も多く、パリ気分が味わえるのも楽しい。犯罪捜査モノとしてだけでなく、どこかゆるっとしたフランスらしい空気が漂う雰囲気のある小説だった。2巻目も読みたい。
「パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー」ソフィー・エナフ
あらすじ
カペスタン率いる特別捜査班に舞い込んだ今度の事件の被害者は、なんと彼女の義父だった。捜査班の面々は、プロヴァンスやリヨンで起きた事件との思わぬつながりを見つける。キャラの濃い新メンバーも加わって、さらに加速する名(迷)捜査から目が離せない!
引用元:版元ドットコム「パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー」ソフィー・エナフ(早川書房)
ひとことレビュー
シリーズ第2弾。 相変わらず個性豊か過ぎる面々だけど、チーム感が出てきて良い感じに。 今回はリヨンなどパリ以外のフランスの街も見れて楽しかった。 しかし、日本語の副題はあまり内容を表していない気がするのは私だけだろうか…?とは言いつつ、強烈な登場人物たちとは対照的に、ストーリーは正統派の犯罪捜査モノで本当に面白い小説なので、ぜひ続編も翻訳してほしい。
「化学探偵Mr.キュリー」喜多喜久
あらすじ
構内に掘られた穴から見つかった化学式の暗号、教授の髪の毛が突然燃える人体発火、ホメオパシーでの画期的な癌治療、更にはクロロホルムを使った暴行など、大学で日々起こる不可思議な事件。この解決に一役かったのは、大学随一の秀才にして、化学オタク(?)沖野春彦准教授-通称Mr.キュリー。彼が解き明かす事件の真相とは…!?
引用元:版元ドットコム「化学探偵Mr.キュリー」喜多喜久(中央公論新社)
ひとことレビュー
大学職員の舞衣と化学者の沖野が大学内外で起こる事件を解決する話。しっかり事件は起こるけど、人は死なない1話完結型のミステリー。化学の知識を使って謎を解明していくところがおもしろい。主人公たちの関係性がどう変わっていくのかが気になる。
「触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII」北森鴻
あらすじ
フィールドワークで災難や殺人事件に遭遇する民俗学者が存在するのか? 蓮杖那智の助手・内藤三國は、毎度の無理難題、考察に翻弄され疲弊する日々。東北地方の山奥に佇む石仏の真の目的。死と破壊の神が変貌を繰り返すに至る理由。海幸彦・山幸彦の伝説と死者の胃の中の曲玉の関係。即身仏がなぜ塞の神として祀られたのかを巡る謎。孤高の民俗学者が奇妙な事件に挑む5篇を収録。連作短篇の名手が放つ本格民俗学ミステリ!
引用元:版元ドットコム「触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII」北森鴻(KADOKAWA)
ひとことレビュー
蓮丈那智シリーズ第2弾。 本格的な民俗学を題材にしているのに、分かりにくさが全くないところがすごい。 登場人物も個性的で面白いし、民俗学と謎解きも楽しめて大満足。少しゾワっとする話があるのもよかった。1話完結型だから読みやすいのだろうけど、短編なのが惜しいくらいおもしろかった。
「化学探偵Mr.キュリー2」喜多喜久
あらすじ
鉄をも溶かす”炎の魔法”、密室に現れる人魂、過酸化水素水を用いた爆破予告、青酸カリによる毒殺、そしてコンプライアンス違反を訴える大学での内部告発など、今日もMr.キュリーこと沖野春彦准教授を頼る事件が盛りだくさん。庶務課の七瀬舞衣に引っ張られ、嫌々解決に乗り出す沖野が化学的に導き出した結論は…!?大人気シリーズ第二弾。文庫書き下ろし。
引用元:版元ドットコム「化学探偵Mr.キュリー2」喜多喜久(中央公論新社)
ひとことレビュー
大学職員の舞衣と化学者の沖野が大学内外の事件を解決するシリーズ第2弾。 魔術師や人魂なんてファンタジックな謎から窃盗などの物騒な事件まで、化学の知識で解明しちゃう沖野すごい。そしてそんな化学を絡めた謎ばかり書ける作者がすごい。
「化学探偵Mr.キュリー3」喜多喜久
あらすじ
体調不良を引き起こす呪いの藁人形、深夜の研究室に現れる不審なガスマスク男、食べた者が意識を失う魅惑の”毒”鍋。次々起こる事件を、Mr.キュリーこと沖野春彦と庶務課の七瀬舞衣が解き明かす-が、今回沖野の前に、かつて同じ研究室で学び、袂を分かった因縁のライバル・氷上が現れた。彼は舞衣に対し、沖野より早く事件を解決してやると宣言し!?
引用元:版元ドットコム「化学探偵Mr.キュリー3」喜多喜久(中央公論新社)
ひとことレビュー
人の死なないミステリーとしてとてもおもしろい。化学が絡む謎ばかりなのに、門外漢の私でも読みやすくてサクサク読んでしまった。舞衣がグイグイいくばかりだったけど、沖野先生の心情も垣間見れる台詞が出てきたりして、ちょっとニヤニヤ。少し関係が変わりそうな仄めかしがあって、4巻が俄然楽しみになった。1巻より2巻、2巻より3巻とどんどんおもしろくなっている気がする。
「化学探偵Mr.キュリー4」喜多喜久
あらすじ
大学で暗躍する『互助組合』の謎。反応を掻き混ぜる以外に使い道のない”スターラー盗難事件”。切断された銅像と雪の上の足跡。そして今回、Mr.キュリーこと沖野春彦がなんと被害者に!?この事件の謎に立ち向かうのは、イケメン俳優にして「春ちゃんラブ」の美間坂剣也。沖野リスペクトによる化学的知識を駆使して新たな名探偵となれるのか!?
引用元:版元ドットコム「化学探偵Mr.キュリー4」喜多喜久(中央公論新社)
ひとことレビュー
今回はいつもよりちょっと化学要素少な目だったけど、こんなに化学にまつわる謎を書ける作者すごい!と思いながら読んだ。相変わらずおもしろい。相変わらずな関係性の舞衣と沖野だけど、舞衣の言葉に動揺しちゃう沖野先生が可愛かった。笑
「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルIII」北森鴻
あらすじ
世界に名高い浮世絵師ながら、正体が謎に包まれている東洲斎写楽――。蓮丈那智が古文書調査のため訪れた四国で、美術界を激震させる秘密に対峙することとなる表題作など、全4篇を収録。憑代とされた人形の破壊と惨殺事件の関わり、湖底に沈む鳥居は、事の発端なのか? 旧家に伝わる神像を破壊する祭祀と過去の因縁とは。異端の民俗学者の冷徹な観察眼は封印されし闇を暴く。はなれわざの謎ときに驚嘆必至の本格民俗学ミステリ!
引用元:版元ドットコム「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルIII」北森鴻(KADOKAWA)
ひとことレビュー
3作目ともなると登場人物たちのキャラも安定していて、すっと物語に入り込める。憑代や鳥居など、民俗学的な謎と事件の真相に迫るストーリーがおもしろかった。そして特におもしろかったのが、タイトルにもなっている「写楽」の章。なかなか壮大な話で、べるみーの謎や絡繰箱のその後についての推察などは自分の想像を超えていたので驚いた。ストーリーはもちろん、那智先生のクールさ、三國のついてなさ、狐目の切れ者っぷりなど、ストーリー以外にも楽しめる要素があって楽しい。次巻も楽しみ。
「准教授・高槻彰良の推察10 帰る家は何処に」澤村御影
あらすじ
青和大学の夏休み。
引用元:版元ドットコム「准教授・高槻彰良の推察10 帰る家は何処に」澤村御影(KADOKAWA)
他の学生たちが就活関連で慌ただしそうにする中、
尚哉は遠山の事務所でバイトをすることになる。
そんな折、高槻のもとをフリーライターの飯沼が訪れた。
行方不明の男子高校生が遺体で発見された事件について、話があるという。
猟奇的なその事件は、高槻の過去の因縁につながりがありそうで……。
他、都市伝説「ひきこさん」と事故物件の物語に、掌編2編も収録。
高槻の過去に迫る民俗学ミステリ第10弾!
ひとことレビュー
今回もおもしろかった。高槻に心を配る優しさや、社会の中で人と関わりながら生きようとする尚哉の姿に成長と優しさを感じた。高槻にはヒヤヒヤさせられたり切なくさせられたり…。そんな風に登場人物に思いを馳せつつも、ぞわぞわとした恐怖を感じるストーリーもあったりして、ほどよい怖いを味わえた。このシリーズは人間が怖い回と怪異が怖い回があるので、最初からオチが分からないのも楽しい。シリーズがどういう結末を迎えるのか、俄然楽しみになった。
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「鎌倉香房メモリーズ」阿部暁子
あらすじ
人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ香乃は、祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも……よみがえる。ほっこりあったか香りミステリー。
引用元:版元ドットコム「鎌倉香房メモリーズ」阿部暁子(集英社)
ひとことレビュー
学生の頃に買って、読み返したいと思っていた本。なんで買ったのか、どんな内容だったのかなどはすっかり忘れてしまっていたけど、好きだなと思ったことだけは覚えていた。読み直して、改めていい本だと思ったし、好きな本だと思った。 優しく心の柔らかいところに寄り添ってくれる。嫌なことがあった後だったから、救われた気がした。 手放さなさずに保持し続けた自分を褒めたい。
「鎌倉香房メモリーズ2」阿部暁子
あらすじ
ほんとうの七夕物語を知っていますか? 夏がくるたびに思い出す──。香乃と雪弥が、まだ幼くて……ひとりぼっちだった頃に出会った、凛とした人のこと。あの日の「香り」ミステリー、続編!
引用元:版元ドットコム「鎌倉香房メモリーズ2」阿部暁子(集英社)
ひとことレビュー
今回は星の川を渡ってしまった人たちと、彼らに思いを寄せる人たちの物語。 切なさや苦さ、後悔を感じる話が多かったのに、希望や優しさ、強さも感じた。 泣く直前のように少し胸が苦しい場面もあったけど、読後感は爽やかだった。
「鎌倉香房メモリーズ3」阿部暁子
あらすじ
秋の鎌倉──。今日も今日とて、ゆるり営業中の花月香房。だけど今日は……雪弥さんが、ちょっとおかしい!? それぞれの想い深まる「香り」ミステリー。大ヒットシリーズの第3弾が登場!!
引用元:版元ドットコム「鎌倉香房メモリーズ3」阿部暁子(集英社)
ひとことレビュー
主人公の香乃ちゃんは泣き虫人だけど、心がとても強い。他人のどんな感情も否定しないし、無闇に踏み込んだりしないのに、その人のためにできることを一生懸命する。人の心が分かるなんて辛いことも多いはずなのに、それでも人間に失望したり世を儚んだりしないところがすごい。ほんわかニヤニヤ終盤を読んでいたら、最後にまさかの展開が!とても気になるので、すぐに4巻読まねば。
「鎌倉香房メモリーズ4」阿部暁子
あらすじ
花月香房からも、香乃の前からも姿を消してしまった雪弥。雪弥の気持ちを想像し、積極的に動くことも出来ずに落ち込む香乃だったけれど、雪弥の行動には、彼の過去が影を落としていることを知り…!?
引用元:版元ドットコム「鎌倉香房メモリーズ4」阿部暁子(集英社)
ひとことレビュー
前巻の衝撃の終わり方をしたので、続きが気になって一気読み。今回は雪弥の秘密が明かされたり、香乃ちゃんの知人に衝撃の事件が起きたりと盛沢山だった。4巻は全体を通して生と死について考えさせられたからか、結構重ためで、読んでいて少し苦しかった。もちろん面白くて軽快さもあるんだけど、読んでいて涙が止まらなかった。次巻は幸せな二人が読めますように。
「鎌倉香房メモリーズ5」阿部暁子
あらすじ
お互いに気持ちを打ち明けあった香乃と雪弥。雪弥の戻った花月香房は、本日も営業中。雪弥の父母への葛藤、そして香乃の自分の力に対する鬱屈の行方、そして二人の関係は? 香りが紡ぐ最後の物語。
引用元:版元ドットコム「鎌倉香房メモリーズ5」阿部暁子(集英社)
ひとことレビュー
アイデンティティに疑問を持って生きるのは、とても苦しいことだと思う。誰だって一度は『自分は何なのだろう』と考えることはあるけれど、ずっと悩み続けることはあまりない。あの不安定な心地をずっと味わうのは辛い。全巻通して、人は大なり小なり後悔を抱えていて、心にたくさんの傷を持って生きているものだということが描かれている。それでも、香乃ちゃんみたいに人を受け入れて、優しさを持って生きていけたら、すごく素敵なことだと思った。ハッピーエンド、万歳!
「陰陽師の呪い 桜咲准教授の災害伝承講義」久真瀬敏也
あらすじ
「陰陽師は河童になったんです」
引用元:版元ドットコム「陰陽師の呪い 桜咲准教授の災害伝承講義」久真瀬敏也(宝島社)
一見、不可思議に思われる新説を唱えるのは、民俗学者・桜咲竜司。
「災害伝承」を専門とする彼は、その知識と考察でさまざまな問題を解決する。
江戸の鬼門に位置する土地を巡る、旧家の遺産相続争いの行方とは。小学生が見つけた藁人形に隠された、恐るべき真相とは?
平安の世に繁栄した陰陽師の歴史を紐解きながら、桜咲准教授の推理が冴えわたる!
ひとことレビュー
シリーズ第4弾。今回の主足る舞台は東京・江戸と日光。身近な地名や場所と、歴史上の出来事が実感を伴って結びつく、その壮大なワクワク感がたまらない!物語の随所に散りばめられた内容が、最後にドドドと繋がっていくのが本当におもしろかった。たとえフィクションだとしても、史実を並べてつなぎ合わせると、そういう解釈ができるということがミステリアスでおもしろいと思う。
「化学探偵Mr.キュリー5」喜多喜久
あらすじ
化学サークルによる「甘い物質」合成対決。サ行の発音がおかしくなった同級生の秘密。四宮大生を狙う奇妙な仮面の男の正体。協力して事件の解決に当たる沖野と舞衣は、ひょんなことから理学部の冷蔵室に閉じ込められてしまった。暗闇&低温の極限状態から脱出する術はあるのか!?
引用元:版元ドットコム「化学探偵Mr.キュリー5」喜多喜久(中央公論新社)
ひとことレビュー
どの話も面白かったけど、1番好きだと思ったのはサークルの存亡をかけた甘い物質の合成対決の話。大学生らしい(?)熱さがちょっとアホっぽくていい。 これまでに出てきた人物たちが再登場したりして、それも楽しかった。沖野と舞衣の関係性がどう変わるのか、あるいは変わらないのか。その展開も楽しみになってきた。
「ナゾトキ・ジパング SAKURA」青柳碧人
あらすじ
精南大学の男子寮《獅子辰寮》の代表となった長瀬秀次は、四月から二回目の三年生。取得単位は絶望的だが、寮での人望は厚い。同室となるのは、アメリカ Los Angeles出身のケビン・マクリーガル。本来なら、一年生からの付き合いで気心の知れた平塚優作がルームメイトになるはずが、所属するゼミの雄島総一郎教授の一存で決まった。ギリギリの成績で教授に弱みを握られている秀次に拒否権はなかった。
引用元:版元ドットコム「ナゾトキ・ジパング SAKURA」青柳碧人
桜満開の三月の終わり、大学の旧学生会館で死体が発見された。第一発見者の寮の後輩が、警察に連行され事情聴取を受けたという。後輩の無実を晴らすことはできるのか──?
「ミョーデス!」日本の文化が大好きなだけでなくすぐれた洞察力を持つケビンと、なにかと巻き込まれがちな秀次が、いつの間にか探偵コンビに!? SAKURA! FUJISAN! CHA! SUKIYAKI! KYOTO! 日本の名所名物を巡る数々の事件の謎を解く、キャッチーな本格ミステリ。
ひとことレビュー
主人公の秀次とケビンをはじめ、大学生の登場人物たちが個性的でおもしろい。大学生的なノリも読んでいて楽しかった。ただ、どうも田中刑事の言動が苦手で、いちいちイラついてしまって、作品全体を楽しめなかった。
「邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV」北森鴻、浅野里沙子
あらすじ
古代、魏の書に登場する邪馬台国は、優れた製鉄と酒造技術を誇りながらも消えた、謎の国だ。民俗学者・連丈那智に届いた「阿久仁村異聞」は明治時代に地図からも抹消された村の記録だが、邪馬台国への手掛かりとなる文書だった。だが、調査を始めた矢先、次々と不穏な出来事が襲いかかる――。歴史の壮大な謎に、異端の民俗学者と助手が意外な「仮定」や想像力を駆使して挑む。怒濤の知の奔流に圧倒される本格民俗学ミステリ!
引用元:版元ドットコム「邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV」北森鴻、浅野里沙子(KADOKAWA)
ひとことレビュー
600ページを超えるシリーズ初の長編。明治時代に抹消された阿久仁村の謎と、邪馬台国の謎。解き明かそうとすると生じる不穏な出来事。いくつもの謎が絡み合う壮大な物語は、読みごたえ抜群だった。当然のように古事記や古代史が出てくるので少し難しい箇所もあるけど、三國たちの推論の軌跡を辿っていくのはとてもおもしろかった。5巻も楽しみ。
「薬屋のひとりごと14」日向夏
あらすじ
中央に戻り、外廷の医務室勤務になって医官たちの仕事を手伝う猫猫。後輩もでき、新しい部署にも慣れていく。しかし猫猫たちが不在の間に、宮廷では妙な派閥争いが起きつつあった。正しき血統を維持しようとする皇太后派と、新しき流れを作ろうとする皇后派。安氏と玉葉の意思とは裏腹に、周りは次第にきな臭くなっていき、特に若い武官たちの間では、傷害沙汰が繰り返されていた。そんな中、猫猫は姚に頼まれて「名持ち」の一族の会合に参加することになるのだった。
引用元:版元ドットコム「薬屋のひとりごと14」日向夏(主婦の友社)
ひとことレビュー
この巻はweb未収録の内容が多かった気がする。(私が覚えていないだけかもしれないけど。苦笑) 少々壬氏不足だけど、終盤にちゃんとニヤニヤさせてくれて満足。そしてそう来るか!という展開が最後にあって、毎度ながらきちんと楽しませてくれるエンターテイメント性の高さ!スラスラ読めて、おもしろい。だからこのシリーズ好き。
「100分間で楽しむ名作小説 黒猫亭事件」横溝正史
あらすじ
少し前まではのどかな武蔵野の風情を色濃く残していたG町の繁華街に、夜になると菫色の灯りがともる「黒猫」という酒場があった。つい一週間ほど前に経営者が代わり、無人のはずの店の裏手で、何者かが地面を一心に掘っているところに出くわした巡査はそこで腐乱屍体を発見する。金田一耕助は世にも難解な顔のない屍体の謎を見破ることができるか。
引用元:版元ドットコム「100分間で楽しむ名作小説 黒猫亭事件」横溝正史(KADOKAWA)
ひとことレビュー
初・横溝正史。文豪の名前が出ると少し身構えてしまうけど、このシリーズは100分で読めると謳うだけあって、気軽に読めてよかった。 昨今の推理小説の原点を覗き見たように気がして楽しかった。金田一耕助…他のシリーズも読んでみようかな。
「旗師・冬狐堂一 狐罠」北森鴻
あらすじ
店舗を持たず、自分の鑑定眼だけを頼りに骨董を商う〝旗師〟宇佐見陶子。彼女が同業の橘薫堂から仕入れた唐様切子紺碧碗は、贋作だった。プロを騙す「目利き殺し」。意趣返しの罠を仕掛けようと復讐に燃えるなか、橘薫堂の外商の女性が殺され、陶子は事件に巻き込まれてしまうーー騙し合いと駆け引きの世界を巧みに描いた極上の古美術ミステリーシリーズ、第一弾!
引用元:版元ドットコム「旗師・冬狐堂一 狐罠」北森鴻(徳間書店)
ひとことレビュー
2巻の「狐闇」が蓮杖那智シリーズとリンクしているとのことで、1巻目から読んでみた。 骨董品の美しさと、人間のドロドロした感情。壮大な物語で読み応え抜群。おもしろいけれど、私は読むのに体力がいる作品だった。
「冬期限定ボンボンショコラ事件」米澤穂信
あらすじ
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
引用元:版元ドットコム「冬期限定ボンボンショコラ事件」米澤穂信(東京創元社)
ひとことレビュー
小市民シリーズ完結編。小鳩くんがひき逃げされるという衝撃的な出来事から始まってビックリ。事件がシリアスだからいつもの小気味よさはあまり感じられなかったけれど、終盤の畳み掛けがすごくて、脇目も振らずに読んでしまった。 そして遂にシリーズ通して謎だった2人が小市民を目指した心情が明かされて…また春期から読み直したくなってしまった。
「アンデッドガール・マーダーファルス1」青崎有吾
あらすじ
吸血鬼に人造人間、怪盗・人狼・切り裂き魔、そして名探偵。
異形が蠢く十九世紀末のヨーロッパで、人類親和派の吸血鬼が、銀の杭に貫かれ惨殺された……!? 解決のために呼ばれたのは、人が忌避する怪物事件専門の探偵・輪堂鴉夜と、奇妙な鳥籠を持つ男・真打津軽。彼らは残された手がかりや怪物故の特性から、推理を導き出す。生首探偵・半人半鬼・メイドが体を取り戻すためヨーロッパを巡る謎に満ちた悪夢のような笑劇(ファルス)……ここに開幕!
引用元:版元ドットコム「アンデッドガール・マーダーファルス1」青崎有吾(講談社)
ひとことレビュー
設定がとてもユニーク。探偵コンビのやり取りがコミカルで、ヨーロッパの暗い情景と相反しておもしろい。読む前はタイトルが何を意味するのか分からなかったけど、読み終えるとなるほどと興味深かった。19世紀末のミステリーと言えばな展開もあり、続きが楽しみ。
「天鬼越 蓮丈那智フィールドファイルV」北森鴻、浅野里沙子
あらすじ
民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は差出人不明のメールを受け取った。「鬼無里がなくなる……」と。2人は、かつて訪れた小村に思いを馳せる。5年前、鬼の面をつけ、家々を練り歩く神事の最中に起きた殺人事件。メールに誘われるようにふたたび向かった村では、ある女性が待ち受けていた(「鬼無里」)。美しい海に面する、宮崎県の小さな村。古来の儀礼にのっとった荘厳な祭祀の最中、隔離された小舟で起きた殺人事件の驚くべき真相とは(「補堕落」)。テレビ出演したばかりの那智の研究室に届いた1通の手紙。どうやらテレビを見て連絡をしてきたらしい。それは、在野の民俗学研究者からの「天鬼年代記」についての調査依頼だった――北森鴻氏がテレビドラマ第2弾用に書き下ろし、お蔵入りとなっていたプロットを基に書かれた表題作など6篇。
引用元:版元ドットコム「天鬼越 蓮丈那智フィールドファイルV」北森鴻、浅野里沙子(KADOKAWA)
ひとことレビュー
シリーズ最終巻。これが最後だと思うと、一気に読んでしまうのがもったいなくて噛みしめながら読んだ。前巻は長編だったけど、今回はいつもと同じ短編集。例のごとく、フィールドワーク先で殺人事件に遭遇する蓮杖研究室の面面。私はタイトルの天鬼越が一番面白かった。民俗学的な謎と事件の謎とが絡まり合う感じが、民俗学ミステリーらしくてとても良い。新作がもう読めないのは残念だけど、他の作品も読みたいな。
お仕事小説
「飲めば都」北村薫
あらすじ
人生の大切なことは、本とお酒に教わった――日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。新入社員時代の仕事の失敗、先輩編集者たちとの微妙なおつきあい、小説と作家への深い愛情……。本を創って酒を飲む、タガを外して人と会う、そんな都の恋の行く先は? 本好き、酒好き女子必読、酔っぱらい体験もリアルな、ワーキングガール小説。
引用元:Amazon.co.jp「飲めば都」北村薫(新潮社)
ひとことレビュー
お酒を嗜む人はきっと好きな小説。お酒の失敗談と出版社での仕事の話が9割の、クスクス笑える作品だった。 でも、時々苦しい恋の話があったり、ほろ苦い友情の話があったりと、そいういところが妙にリアルで、まるでエッセイを読んでいるようだった。 お酒でやらかした話は、とても面白い。重要書類の入った鞄を忘れる、上司に赤ワインをかける、酔ってケガをするなどなど、どれも他人事なら笑える話だった。(読了日:2月8日)
「図書館のお夜食」原田ひ香
あらすじ
東北の書店に勤めるもののうまく行かず、書店の仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、開館時間が夕方7時~12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館だった。乙葉は「夜の図書館」で予想外の事件に遭遇しながら、「働くこと」について考えていく。
引用元:版元ドットコム「図書館のお夜食」原田ひ香(ポプラ社)
ひとことレビュー
亡くなった作家の蔵書を展示する夜だけ開館する図書館という設定にすごく興味をそそられて手に取った1冊。食にまつわるいろんな本が出てきて、読んでみたいと思わせられる本だった。個々の登場人物に背景となる物語があって面白かったけど、その分それぞれの話が少し中途半端だった印象。ちょっとモヤっとする終わり方だったので、続編があればいいなと思う。
「ようこそ幽霊寺へ ~新米僧侶は今日も修行中~」鳴海澪
あらすじ
実家の寺・松恩院で日々お勤めに励む僧侶の慧海は、幼い頃からある不思議な能力に悩まされてきた。
それは、幽霊を見ることができる霊能力と、身近な人に命に関わる災難が迫っているのがわかる予知能力。
その秘密を知るのは、住職である父と、高校時代からの友人・柴門の二人だけ。
ごく普通に暮らしたいだけなのに、今日も寺にはさまざまな騒動が舞い込んできて――。お茶目な幽霊・源治郎の力を借りつつ、凸凹親友コンビが参詣客の悩みを解決!
引用元:版元ドットコム「ようこそ幽霊寺へ ~新米僧侶は今日も修行中~」鳴海澪(マイナビ出版)
幸せな家族の形とは――? じんわり心温まるお寺ストーリー。
ひとことレビュー
親しい人の命の危機を感じ取れる若手僧侶と、家族関係で心に傷を持つ親友が、騒動を解決する話。 『自分の心に刺さった棘は自分で抜くしかない』というような台詞があり、確かになと思わされた。心は目に見えないから、そこに刺さった棘は辛くても自分でどうにかするしかない。それぞれ心に傷を抱えながらも懸命に生きる登場人物たちを応援したくなった。
kindle unlimitedの対象作品だから、会員なら0円で読むことができるよ!
「ようこそ幽霊寺へ ~彷徨う霊の秘密の恋~」鳴海澪
あらすじ
新米僧侶の慧海は、先祖から受け継いだ霊能力と予知能力に悩まされながらも実家の寺・松恩院で日々お勤めに励んでいる。
ある日檀家さんから、中学生の息子の夢に女の幽霊が出てくるという相談を受けた慧海。
高校時代からの親友・柴門や、納骨堂に住み着く幽霊・源治郎の力を借りつつ、女の幽霊が現れる原因を調査するが……?じんわり心温まるお寺ストーリー第二弾!
引用元:版元ドットコム「ようこそ幽霊寺へ ~彷徨う霊の秘密の恋~」鳴海澪(マイナビ出版)
ひとことレビュー
幽霊が見える新米僧侶がお困り事を解決するシリーズ第2弾。今回は時代に翻弄された人たちの後悔が印象的だった。ニコニコ漂っている源治郎さんの、戦争に翻弄された苦い過去。望まぬ結婚をし、妾となって失意の中亡くなった女性の幽霊。 『困難があるたびに逃げ出したりしなければ、したたかになるはずだ』という趣旨の台詞が、すごく印象深かった。 後悔しない人生ってあるのだろうか。
kindle unlimitedの対象作品だから、会員なら0円で読むことができるよ!
「アンと幸福」坂木司
あらすじ
累計100万部突破!「和菓子のアン」シリーズ3年ぶりの最新作、どうぞ召し上がれ。
引用元:版元ドットコム「アンと幸福」坂木司(光文社)
「みつ屋」以外にも目が届くようになってきた今日このごろ。別れと出会いと「なんで?」を乗り越えて、アンちゃんも新しい扉を開きます。東京デパートの食品売り場から、たくさんのはじめての場所へ……。甘酸っぱい謎と和菓子の世界が、あなたをお待ちしています。
――人の転機は十人十色。甘いお菓子で一息いれて、さあ進みましょう。
ひとことレビュー
大好きなシリーズ。相変わらず、読んでいると和菓子が食べたくなるほっこりした物語。今回は、お菓子の神様と言われる田道間守命が出てきたりと、最近ハマっている民俗学的要素があっておもしろかった。1巻を初めて読んだころは私もアンちゃんと同年代だったけど、今はきっと椿店長より年上。新幹線の席での待ち合わせもビジネスホテルも、昔はアンちゃんのようにドキドキしたけど、今は緊張することなく使えるようになった。そっか、昔とは視点や好みも変わってるんだなとちょっと感慨深かった。
グルメ小説
「おいしいベランダ。 亜潟家のポートレート」竹岡葉月
あらすじ
まもりの妊娠が分かって、幸せいっぱいの葉二。同時に新居や出産など、やることは盛りだくさん。ところが葉二は育休を取れないと判明――! 二人は里帰り出産と準備を分担して乗り切ることを決める。決意のもと、まもりは妊娠中も飲めるお茶や、葉二が収穫したての素材で作る天ぷらに元気を得て、着々と準備を進めていく。しかし新居のリフォーム案で波乱!? これじゃあ庭や書斎に声が届かなくて、葉二さんが熱中したら出てこなくなっちゃいます……!大幅なプラン変更で、準備は逼迫!?
引用元:版元ドットコム「おいしいベランダ。亜潟家のポートレート」竹岡葉月(KADOKAWA)
ひとことレビュー
大学生だったまもりが、とうとうママに!物語の中なのに、時の流れの早さを実感した。今回も読み手の期待通り、葉二は相変わらず言動が男前過ぎる!主人公2人の行動の端々から互いへの愛を感じて、ほっこりした。おいしくて温かい、いい作品でした。(読了日:2月9日)
「ビストロ三軒亭の謎めく晩餐」斎藤千輪
あらすじ
三軒茶屋にある小さなビストロ。来る人の望みを叶える魔法のような店。料理は本格派、サービスは規格外。どんな事情の客も大歓迎。――ここ『ビストロ三軒亭』には、お決まりのメニューが存在しない。好みや希望をギャルソンに伝えると、名探偵ポアロ好きな若きオーナーシェフ・伊勢優也が、その人だけのオリジナルコースを作ってくれる、オーダーメイドのレストランなのだ。ひと月ほど前までセミプロの舞台役者だった神坂隆一は、姉の紹介でこの店のギャルソンとして働くことに。個性豊かな先輩ギャルソンたちに気後れしつつも、初めて挑んだ接客。だが、担当した女性客が、いろいろな謎を秘めた奇妙な人物であることを、隆一はまだ知らずにいた……。美味しい料理と謎に満ちた、癒しのグルメミステリー。
引用元:版元ドットコム「ビストロ三軒亭の謎めく晩餐」斎藤千輪(KADOKAWA)
ひとことレビュー
斎藤千輪先生の本はいつもおいしくて、お腹がすく。この本も、ページからバターの香りがしそうなほど食べ物がおいしそう。(特にエスカルゴ!)登場人物がみんな悩みながら一生懸命生きている姿がすごく素敵だった。優しさに溢れているから、読んでいてすごく温かい気持ちになる、読後感の良い本だった。(読了日:2月27日)
シリーズ全3作品がBOOK☆WALKER「マンガ・雑誌読み放題」サービス対象だよ!
「弁当屋さんのおもてなし 巡り逢う北の大地と爽やか子メロン」喜多みどり
あらすじ
婚姻届を出してから数ヶ月、ほっと吐いた息が真っ白になる冬。札幌にある『くま弁』で共に働くユウと千春が考えたのは、道内で小旅行を何回もする――自分たちなりの新婚旅行。
サロマ湖に夕張、留萌の黄金岬……いくつもの旅の中で美味しいものやたくさんの人に巡り逢う。しかし、無理がたたって旅先で業務用のバンが故障し、宅配の計画が頓挫してしまい――!?
もっともっと北海道が好きになる、北のお弁当屋夫婦のものがたり。
引用元:版元ドットコム「弁当屋さんのおもてなし 巡り逢う北の大地と爽やか子メロン」喜多みどり(KADOKAWA)
ひとことレビュー
まさに読む北海道物産展!札幌のくま弁を飛び出して、愛すべきおっせかいな2人が北海道各地を巡る。北海道各地のおいしいものがたくさん出てきて、涎が垂れそう。この本片手に北海道旅行を計画したくなった。近所にくま弁が欲しい。(読了日:3月8日)
「ビストロ三軒亭の美味なる秘密」斎藤千輪
あらすじ
三軒茶屋にある小さなビストロ。悩みや秘密を抱える人の望みを叶え、希望を与える店。料理は本格派、サービスは規格外。どんな事情の客も大歓迎。ここ「ビストロ三軒亭」にはお決まりのメニューがない。好みをギャルソンに伝えると、シェフがそのテーブルだけのオリジナルコースを作ってくれる、オーダーメイドのレストランだ。今回のお客様は……。
引用元:版元ドットコム「ビストロ三軒亭美味なる秘密」斎藤千輪(KADOKAWA)
ひとことレビュー
ビストロ三軒亭シリーズ第2弾。相変わらず食べ物の描写がとてもおいしそうで、おなかが空く。こんなお店、あったらいいのにと思わずにいられない。おいしい小説が好きな人におすすめのシリーズ。
シリーズ全3作品がBOOK☆WALKER「マンガ・雑誌読み放題」サービス対象だよ!
サスペンス・ホラー小説
「繕い屋 月のチーズとお菓子の家」矢崎存美
あらすじ
夢を行き交い「心の傷」を美味しい食事にかえて癒やしてくれる不思議な料理人・平峰花。リストラを宣告されたサラリーマンがうなされる「月」に追いかけられる夢も、家族を失った孤独な女性が毎夜見る吹雪の中で立ち尽くす悪夢も、花の手によって月のチーズやキノコのステーキにみるみるかわっていく。消えない過去は食べて「消化」することで救われる。心温まる連作短編集。
引用元:版元ドットコム「繕い屋 月のチーズとお菓子の家」矢崎存(講談社)
ひとことレビュー
人の夢の中に入り込み、心の傷をおいしい料理にして繕う、繕い屋さんの話。 悪夢が題材なのに温かさも感じる不思議な温度感の物語だった。 苦悩を消化する時、この物語みたいにおいしければ少しは救いになるだろうな。(読了日:3月9日)
「新訳 ジキル博士とハイド氏」ロバート・L・スティーヴンソン
あらすじ
ロンドンで弁護士業を営んでいるアタスンは、友人のジキルから遺言状を預かっていた。自分が死亡、3ヶ月以上行方不明、もしくは不在だった場合、恩人であるハイドに全財産を譲渡するという内容のものである。不審に思ったアタスンは、憎悪を抱かせるハイドを調べようとするものの、ジキルに止められてしまう。その後、街で殺人事件が発生し――。人間は一者ではなく二者から成るものである……善悪の二面性に焦点を当てた世界的名作。
引用元:版元ドットコム「新訳 ジキル博士とハイド氏」ロバート・L・スティーヴンソン(KADOKAWA)
ひとことレビュー
昔、新潮文庫で読んでいたのを忘れてKADOKAWAの新訳を読みました。訳については好みが分かれそうだけど、両者を比較しながら読むのが面白かった。いろんな訳を読み比べてみるのも面白そう。読み始めてすぐに内容を思い出したので、初めて読んだ時のような驚きは感じれなかったけど、細部に目をやることができて解釈の幅は広がった気がする。
「異端の祝祭」芦花公園
あらすじ
失敗続きの就職浪人生・島本笑美。
原因は分かっている。彼女は物心ついた時から生きている人間とそうでないものの区別がつかないのだ。
街に溢れ返った異形のモノたちは、自分の姿が見えていると分かるや否や、笑美に纏わり付いてくる……。ある日、ダメ元で受けた大手食品会社「モリヤ食品」の面接で、笑美はヤンと名乗る青年社長と出会う。
出会ったその瞬間から、何故か自分に惚れ込んでいるヤンに心奪われ、笑美はそのままモリヤに就職することを決める。
しかし「研修」という名のもと、ヤンに伴われて笑美が見たのは、「ケエエェェェエコオオォォオオ」と奇声をあげながら這い回る人々だった――。一方、笑美の様子を心配した兄・陽太は、心霊案件を専門とする佐々木事務所へ相談に訪れ……。
ページを開いた瞬間、あなたももう「取り込まれて」いる。
引用元:版元ドットコム「異端の祝祭」芦花公園(KADOKAWA)
カクヨム発の「ほねがらみ」がTwitterでバズり大反響! ネット民を恐怖の底に叩き落とした驚異の新人作家が放つ、民俗学カルトホラー!
ひとことレビュー
『民俗学ホラー』という謳い文句に引かれて読んでみた。ちょっと民俗学要素が少ないように感じたけど、程よいゾクゾク感と驚きの展開がとても面白かった。幽霊は怖い。でも人間はもっと怖い(のかもしれない)。人ならざるモノに襲われる生々しい描写がないので、すごく怖いホラーが苦手な人でも読める気がした。佐々木事務所の2人の物語も興味深かったので、ぜひ次巻も読みたい。
「漆黒の慕情」芦花公園
あらすじ
塾講師の片山敏彦は、絶世の美青年。注目されることには慣れていたが、一際ねっとりした視線と長い黒髪の女性がつきまとい始める。彼を慕う生徒や同僚にも危害が及び、異様な現象に襲われた敏彦は、ついに心霊案件を扱う佐々木事務所を訪れる。時同じくして、小学生の間で囁かれる奇妙な噂「ハルコさん」に関する相談も事務所に持ち込まれ……。振り払っても、この呪いは剥がれない――日常を歪め蝕む、都市伝説カルトホラー!
引用元:版元ドットコム「漆黒の慕情」芦花公園(KADOKAWA)
ひとことレビュー
怖いのは怪異か人間か。 人間の方が怖いと思ったけど、『ごりごりごり』という音と共にロングの黒髪女性(怪異)にねっとり見られていたら相当怖い。嫌悪感と恐怖心。そして最後に待ち構える驚愕の展開。やはり怖いのは人間の方かもしれない。読後感は良くないけど面白かった。
「聖者の落角」芦花公園
あらすじ
病院に忽然と現われ、子どもたちの願いを叶える謎めいた黒服の青年。難病も嘘のように完治するが、子どもたちの態度が豹変し異様な言動をするという。心霊案件を扱う佐々木事務所に相次いで同様の相談が舞い込んだ。原因を探るるみは、土地にまつわる月と観音信仰が鍵だと掴むが、怪異は治まらない。孤独な闘いの中、彼女はある恐ろしい疑惑に捕らわれる――願いは代償を要求し、祈りは呪いに変貌する。底なしの悪夢に引きずりこむ民俗学カルトホラー!
引用元:版元ドットコム「聖者の落角」芦花公園(KADOKAWA)
ひとことレビュー
佐々木事務所シリーズ第3弾。 ハラハラしながら、最後まで楽しく読めた。 このシリーズ、善と悪について考えさせられる。絶対なる悪人も善人もいないから難しいんだろうな。 前作のラストからの続きっぽい感じなので、前作を覚えているうちに読むのがおすすめ。
世界・日本の名作文学
「眠れる森の美女」シャルル・ペロー
あらすじ
仙女の呪いで百年の眠りについた美しい王女――。王子様のお迎えとともに目覚めたのちの恐怖を描いた表題作のほか、赤頭巾ちゃん、長靴をはいた猫、親指小僧からシンデレラまで。あの懐かしい童話が新鮮な翻訳と美しくて読みやすい活字、繊細な挿絵とともに甦りました。不思議で美しくて楽しい。そしてちょっとだけグロテスクで残酷……。そんなペローの童話の世界へ、ようこそ!
引用元:版元ドットコム「眠れる森の美女」シャルル・ペロー(新潮社)
ひとことレビュー
「幻想古書店で珈琲を」に出てきてから、改めて読んでみたいと思って読んでみた。大人になってから童話を読むと、単なるお伽話以上のものを感じる。人間の残酷さ、意地悪さ、虚栄心傲慢さと共に、教訓が盛り込まれているように感じた。グリム童話と比べてみると、おもしろいに違いない。(読了日:2月23日)
「美女と野獣 [オリジナル版] 」ガブリエル=シュザンヌ・ド・ヴィルヌーヴヴィルヌーヴ
あらすじ
ディズニー映画で有名な「おとぎ話」は、本当はこんな物語だった! 美女と野獣との「めぐりあわせ」に秘められたいくつもの謎が明かされてゆく……森の奥深く、バラに囲まれた魔法の宮殿を舞台に、16歳の美少女ベルと守護妖精たちがくりひろげる華麗なるファンタジー。
引用元:版元ドットコム「美女と野獣[オリジナル版]」ガブリエル=シュザンヌ・ド・ヴィルヌーヴヴィルヌーヴ(白水社)
ひとことレビュー
ヴィルヌーヴ夫人が書いたオリジナル版の美女と野獣。ディズニー版しか知らなかったので、随分印象が違って驚いた。フェアリーテールなのに、人間の心情は妙にリアルだったりするところがおもしろかった。童話として有名なのはボーモン夫人版とのことなので、そちらと比べてみるのもおもしろいかもしれない。
「竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記」池澤夏樹(編)
あらすじ
絢爛豪華に花開いた平安王朝の珠玉の名作を、人気作家による新訳・全訳で収録。最古の物語「竹取物語」から、一人の女性の成長日記「更級日記」まで。千年の時をへて蘇る、恋と冒険と人生。
竹取の翁が竹の中から見つけた“かぐや姫”をめぐって貴公子五人と帝が求婚する、仮名による日本最古の物語、「竹取物語」。在原業平と思われる男を主人公に、恋と友情、別離、人生が和歌を中心に描かれる「伊勢物語」。「虫めづる姫君」などユーモアと機知に富む十篇と一つの断章から成る最古の短篇小説集「堤中納言物語」。「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとしてするなり」、土佐国司の任を終えて京に戻るまでを描く日記体の紀行文、紀貫之「土左日記」。十三歳から四十余年に及ぶ半生を綴った菅原孝標女「更級日記」。燦然と輝く王朝文学の傑作を、新訳・全訳で収録。
引用元:Amazon.co.jp「竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記」池澤夏樹(編)(河出書房新社)
ひとことレビュー
初平安文学。訳者に記された森見登美彦、江國香織の名前に興味を引かれて読んでみた。原文の雰囲気は感じ取れるのに、訳者の文調も確かに感じられて、読んでいて楽しかった。でも悲しいかな、和歌は理解できなかった。それでも、響きの美しさや31文字の中に込められた思いがすごく素敵だった。和歌を読み解ける素養があれば、きっともっと楽しめたはず。常識も生活様式も違うから、正直理解できないものもあるけど、桜を愛でる心や子を慈しむ気持ちなどは現在の私たちと共通していて、読んでいて不思議な感覚を覚えた。
「樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外」池澤夏樹(編)
あらすじ
吉原の廓の隣町を舞台に、快活な十四歳の美少女・美登利と、内向的な少年・信如の淡い想いが交錯する、一葉「たけくらべ」(新訳・川上未映子)。
引用元:Amazon.co.jp「樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外」池澤夏樹(編)(河出書房新社)
東大入学のために上京し、初めて出会う都会の自由な女性や友人に翻弄される青年を描いた、漱石「三四郎」。
謎めいた未亡人と関係を重ねる作家志望の文学青年・小泉純一が、芸術と恋愛の理想と現実の狭間で葛藤する、鴎外「青年」。
明治時代に新しい文学を切り開いた文豪三人による、青春小説の傑作三作を収録。
ひとことレビュー
川上未映子さんの翻訳ということで読んでみた。 すごく大胆な現代語訳で、原文と比べてみたくなる。 キラキラした現在の先に待ち構えるのはどんな未来か。読んで終わりではなく、いろんな考察も読みたくなる作品だった。
「教科書の中の世界文学 消えた作品・残った作品25選」秋草俊一郎・戸塚学 (編)
あらすじ
2019年に刊行された『世界文学アンソロジー』の姉妹編。
引用元:版元ドットコム「教科書の中の世界文学 消えた作品・残った作品25選」秋草俊一郎・戸塚学 (編)(三省堂)
1950年代以降に国語教科書に採録された外国文学作品から25編を厳選し、採録時にカットされた箇所も含めて収録。
各年代の採録作品を通して,当時の世相や国語教育を取り巻く状況に触れた解説やコラムも必見。
ひとことレビュー
掲載されている作品は教科書に採録されていただけあって、興味深いものばかりだった。私は尹東柱の「たやすく書かれた詩」が特に好きだった。ただ作品を楽しむこともできるけど、なぜその作品が教科書に採録されていたのかを考えさせられた点が非常に興味深かった。教科書にどんな話が掲載されるかは、時代の流れが反映されている。子供たちにこんなことを学んでほしい、こんな風に生きていってほしいという願いが込められてるだなんて、学生の時には考えたこともなかった。国語の教科書で海外文学と取り扱う意味とは?母語とは距離のある文化・世界の話だからこそ、現実世界のノイズに惑わされずに、普遍的なことを読み取れるのかもしれない。
「人間椅子」江戸川乱歩
あらすじ
私の膝の上には、いろいろな人が入りかわり立ちかわり、腰をおろしました。作家である佳子に届いた1通の手紙。「奥様」と始まるその文章には、ある椅子職人の生活が綴られていた。江戸川乱歩の『人間椅子』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『死語の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
引用元:版元ドットコム「人間椅子」江戸川乱歩・ホノジロトヲジ(立東舎)
ひとことレビュー
初・江戸川乱歩。 絵が素敵だなと思って手に取った『乙女の本棚』シリーズ。見てるだけでもテンションが上がる。そして読んでみたら…何これ、面白い!さ、さすが文豪。一気にファンになってしまった。他の作品も読みたくなった。
その他小説
「パリ行ったことないの」山内マリコ
あらすじ
パリに行けば、自分が見つかるの? 私は何がしたいの? 私は何ができるの? とまどいながらも自分の人生を見つめ、前に歩んでいこうとする10人の女性の物語。
引用元:版元ドットコム「パリ行ったことないの」山内マリコ(集英社)
ひとことレビュー
悩める10人の女性を描いた連作短編集。 パリって何でこんなに素敵な感じがするんだろう。結構汚いし、嫌な目にも遭ってるのに、何故か魅力的で行きたくなってしまう。『わたしはフランスに行って、自分の足で、その映画を探したいのです』っていう台詞が印象的だった。 便利な世の中だから、簡単に経験した気にはなれるけど、実際に自分自身で体験することに意味があるのだろうな。悩んでいる女性にぜひ読んでほしい本。
「ミッテランの帽子」アントワーヌ・ローラン
あらすじ
その帽子を手にした日から、冴えない人生は美しく輝きはじめる。舞台は1980年代。時の大統領ミッテランがブラッスリーに置き忘れた帽子は、持ち主が変わるたびに彼らの人生に幸運をもたらしてゆく。うだつの上がらない会計士、不倫を断ち切れない女、スランプ中の天才調香師、退屈なブルジョワ男。まだ携帯もインターネットもなく、フランスが最も輝いていた時代の、洒脱な大人のおとぎ話。
引用元:版元ドットコム「ミッテランの帽子」アントワーヌ・ローラン(新潮社)
ひとことレビュー
好きになれない登場人物もいたし、応援したくなる登場人物もいたけど、素敵な物語だった。偶然手にした帽子の不思議な力に勇気をもらい、悪い縁を断ち切って、生活が変わっていく。そんな不思議な力のある帽子なんて現実には存在しないだろうけど、これがあれば大丈夫って思える心の御守りは大事だと思う。何かしらミッテランの帽子となりえるものを見つけられたら、それはとても幸運なことなのだろう。
「シブヤで目覚めて」アンナ・ツィマ
あらすじ
チェコで日本文学を学ぶヤナは、謎の日本人作家の研究に夢中。一方その頃ヤナの「分身」は渋谷をさまよい歩いていて──。プラハと東京が重なり合う、新世代幻想ジャパネスク小説!
引用元:Amazon.co.jp「シブヤで目覚めて」アンナ・ツィマ(河出書房新社)
ひとことレビュー
最初はなかなか物語に入り込めなかった。でも、3章くらいからプラハが身近に感じられるようになって、プラハと渋谷がどう関係するのか気になってからは、おもしろかった。最後はなかなか冒険的!あの後どうなったのか、すごく気になるけど、この余韻がいいのだと思う。無理に続きがなくてもいいかなと思える終わりだった。私は文学というものがよく分からない。本は好きだけど、文学が好きかと言われると、苦手意識の方が強い気がする。でも、この本を読んで少しだけ、文学の良さが分かった気がした。
「東京23話」山内マリコ
あらすじ
学級委員タイプの千代田区が、ザ・ビートルズが来日した時の思い出を振り返ったり、女子高生風の渋谷区が、恋文横丁の甘酸っぱい成り立ちを語ったり……。 東京23区それぞれが、自身の歴史や街の様子、そこで生まれた悲喜こもごものドラマを「自分語り」する、思わずくすりとさせられたり、ほろりとさせられたりする小説集。
引用元:Amazon.co.jp「東京23話」山内マリコ(ポプラ社)
ひとことレビュー
東京23区で織りなされる物語…ではなく、東京23区が自らのことを語る物語。 それぞれの区がとても個性的に描かれていて、とてもおもしろい。また、東京の過去に想いを馳せられて、知らない東京を知ることができる。また、 23区の一人称の使い分けがおもしろい。私だったら、どの区に何の一人称を使うだろう?読んでいてとても楽しい小説だった。
エッセイ
「杏のふむふむ」杏
あらすじ
ラブラドールのハリーと過ごした小学校時代、歴女の第一歩を踏み出した中学時代、単身海外にモデル修業に行った頃、そして、女優として活動を始めたとき……。NHK連続テレビ小説のヒロインを演じ国民的な女優となった杏が、それまでの人生を、人との出会いをテーマに振り返って描いたエッセイ集。そのとき感じたことを次につなげて明日に向かう姿は、感動必至。
引用元:Amazon.co.jp「杏のふむふむ」杏(筑摩書房)
ひとことレビュー
文章に人柄が表れていて、読んでいて心地のいい本。 10代でNYやパリに単身乗り込んだ杏ちゃんのガッツがすごい!全然ダメだ…ってなってから時間をかけて自分を鍛えていく姿がすごくかっこよかった。 『これで良い』じゃなくて『これが良い』って選んできた生き方が素敵だ。
「ペンギンと暮らす」小川糸
あらすじ
夫の帰りを待ちながら作る〆鰺。風邪で寝込んだときに、友人が届けてくれた菜の花ご飯。元気を出したい人の為に、身体と心がポカポカになる野菜のポタージュ…。大切なお客さまの為ならば、八百屋を6軒はしごすることも厭わない。そんな著者の美味しくて愛おしい、もてなしの毎日。ベストセラー『食堂かたつむり』の著者が綴る日記エッセイ。
引用元:Amazon.co.jp「ペンギンと暮らす」小川糸(幻冬舎)
ひとことレビュー
以前「今日の空の色」という小川糸さんのエッセイを読んでおもしろかったので読んでみた。でも、このエッセイは私の好みではなかったみたい。ちょっと共感できない箇所が多々あり、距離を感じながら読んでしまった。日々の日記的なエッセイなので、一気に読むよりは少しずつ読んだ方が楽しめそう。温度感は好きだったので、別のエッセイにトライしてみようと思う。
この本はAudible無料体験対象作品だから、Audibleなら0円で聴けるよ!
「杏の気分ほろほろ」杏
あらすじ
朝ドラ「ごちそうさん」から「花咲舞が黙ってない」に「デート」まで、女優として駆け抜けた日々──。ひたむきに役者の仕事に取り組み、私生活でも結婚・出産と大きく変化のあった激動の3年半を、のびやかな筆致でさわやかにつづる傑作エッセー集。
引用元:版元ドットコム「杏の気分ほろほろ」杏(朝日新聞出版)
ひとことレビュー
前回とは異なり、今回は仕事のことを中心に書かれていた。真摯に一生懸命仕事に取り組み、自分が目指す方向へ歩いていく杏ちゃんの姿がとても素敵。また、興味のあることに対して『やってしまえ!』と飛び込んでいく姿に、勇気をもらえた。
「私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE」安達茉莉子
あらすじ
これは、ひとりよがりの贅沢ではない。--ひとの日常、ひとの営みが軽視される日々にあらがう、意地なのだ。
日常において、とても些細なことだけれど、気にかかっていること。タオルやシーツ、ゴミ箱、セーター、靴、本棚……。これでいいやで選んできたもの、でも本当は好きじゃないもの。それらが実は、「私」をないがしろにしてきた。淀んだ水路の小石を拾うように、幸せに生活していくための具体的な行動をとっていく。やがて、澄んだ水が田に満ちていく。――ひとりよがりの贅沢ではない。それは、ひとの日常、ひとの営みが軽視される日々にあらがう、意地なのだ。それが“私”の「生活改善運動」である。
手づくりのZINEとしては異例のシリーズ累計五千部を記録した大人気エッセイ『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』を、5万字の書下ろしとともに再構成。待望の単行本化
引用元:版元ドットコム「私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE」安達茉莉子(三輪舎)
ひとことレビュー
タイトル通り、著者が生活を改善する様子を綴ったエッセイ。 改善前の著者の生活が想像よりダメダメだったので、ちょっと驚いた。でも、自分の心の琴線に触れる感覚を大事にして日々の選択を行う、見る度にテンションが上がるものを身近に置くということにはとても共感できた。これでいいじゃなくて、これがいい。そういう小さな選択の積み重ねの違いで、生活は全然違うものになっていくのだろう。散らかり放題の部屋をどうにかしたい人、毎日コンビニ弁当という食生活を変えたい人、適当な服ばかり着てしまうけどオシャレがしたい人におすすめの本。
「エッセイストのように生きる」松浦弥太郎
あらすじ
書くことで救われてきた。書くことが人生を変えてくれた――。〈エッセイ=パーソナルな心の様子を描いた文章〉を書き、見つめつづけ、考えつづければ、おだやかな暮らしが手に入る。エッセイスト松浦弥太郎が、考え方、書き方、読書、SNSとの付き合い方までを案内する、新しい思考のレッスン。
引用元:版元ドットコム「エッセイストのように生きる」松浦弥太郎(光文社)
ひとことレビュー
エッセイを読むと、『こんな風に生きたい』とか『こんな生活がしたい』とキラキラした憧れを抱くことがある。その理由を理解するきっかけになる気がして読んでみた。読んでみて分かったのは、日常を文章にしている人(つまりエッセイスト)は、日常の小さな出来事をきっかけに自分の心を深掘りしているということ。だから、些細な出来事がキラキラして見えるし、丁寧に生きている印象を受けるのだと思う。1年後とかに読み直して、どう感じるのか、違いを確かめてみたい。
「パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら」中島たい子
あらすじ
長年フランスを敬遠していた私だったが、40代半ばを過ぎて、パリ郊外に住む叔母ロズリーヌの家に居候することに。毛玉のついたセーターでもおしゃれで、週に一度の掃除でも居心地のいい部屋、手間をかけないのに美味しい料理……。彼女は決して無理をしない。いつだって自由だ。パリのキッチンで叔母と過ごして気づいたことを綴ったエッセイ。
引用元:版元ドットコム「パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら」中島たい子(幻冬舎)
ひとことレビュー
四角いバゲット、マロンアイスクリーム、バケットに板チョコを挟んだだけのパンオショコラなどなど、すごく美味しそうでマネしたくなった。手は込んでないけど、少しだけ手間をかけて作ったものはきっと美味しい。自分なりのこだわりを持ち、これがいいと選ぶこと。それが人生を豊かにするのかもしれない。
「買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて」山内マリコ
あらすじ
「本になるほど 記憶に残る買い物がしたい」という声がSNSで話題沸騰!
目次だけでときめく、新世代のお買い物エッセイ!【社会人のスタートラインに買ったプラダの財布!】
【その年 最高額のお買い物 4Kテレビ!】
【ユニクロとの付き合い方。】
【本を「買う」のが好き。】 などなど。週刊文春の人気連載「お伊勢丹より愛をこめて」が書き下ろしを追加して一冊に! 山内さんが選ぶ「長く愛せるもの」が満載の一冊!
引用元:版元ドットコム「買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて」山内マリコ(文藝春秋)
SNSで、341万インプレッション越えの話題作!
ひとことレビュー
そうそう!と思いながら読んだ。たしかに、30代になるとそれまでとは買い物の仕方が変わる。著者みたいにハイブランドに手を出せるわけじゃないけど、ちゃんと大人に見える質の良いもの、自分が心から好きだと思えるもの、ずっと大事にしたいものを買いたくなる。その点は著者と同じだと思うし、その点で共感する部分がたくさんあった。数年前だったら共感できなかったと思うので、今出会うべくして出会ったのだと思う。 私は、<予算内でできるだけ良い品質の物を買う>を目指したい。 目指せ、満足のいく買い物!
「ビールと古本のプラハ」千野栄一
あらすじ
百塔の町、ヨーロッパ建築様式の博物館といわれる古都プラハは、多くの作家、詩人、音楽家などを輩出した芸術の都としても知られ、ビアホール、カフェ、そして古本屋の文化が花開いた。この町に学び、暮らし、この町と人を知悉し、愛する著者が「ビロード革命」後の変化もまじえて、その魅力を描く。
引用元:版元ドットコム「ビールと古本のプラハ」千野栄一(白水社)
ひとことレビュー
ビール愛と古書店愛に溢れた、まさにタイトル通りの内容の本。 97年出版なので今のチェコとはだいぶ違うけれど、当時の様子が知れて面白い。私は先週行ったチェコ旅行を懐かしみたいと思って手に取ったけれど、違いを知れて楽しかった。ビロード革命前後で街や人々の生活が激変していく様子がよく伝わってきた。 チェコの現代史を間近で生き生きと感じられるので、ビロード革命前後のチェコの様子が知りたい人にはうってつけの本。
「お茶の時間」益田ミリ
あらすじ
お茶の時間に、ふと思う。
「人生の折り返し地点」という言葉があるけれど、
人生を折り返せた人っているのだろうか?
コーヒーを飲みつつ、首をひねり、
店を出る時には忘れている。
それでも、人生について考えた午後になる。
お茶の時間は、ふと、なにかを思うための、
人間らしい時間だった。
――益田ミリ――「あそこの女子会はなにに盛り上がっているのだろう?」「あのカップル、初々しいなぁ」「あっちの男性はパソコンで何をしているのだろう?」、まわりを見渡し、自分についても思索にふけったり。大人気・益田ミリが贈る、ゆるふわ、楽しい人生エッセイ・マンガ。文庫特別書き下ろしマンガも巻末収録。
引用元:版元ドットコム「お茶の時間」益田ミリ(講談社)
ひとことレビュー
初・益田ミリさん。コミックエッセイなので、疲れている時でも読みやすい。 ホッコリする話もあれば、心が荒んだ時の話もあったりして、誰にでも良い日と悪い日があるんだなと実感した。きっと誰しも日常的にクサクサした出来事に出会ったり、そうする度に自分を慰めながら生きているんだなと思えた。自分を慰める術を持ってるって、大事なことだと思う。きっと著者にとってはお茶の時間が、自分と向き合う大切なひと時なんだろうな。
「日本で、ヒュッゲに暮らす」イェンス・イェンセン
あらすじ
北欧デンマーク流ライフスタイル
“ヒュッゲ”で心地よく暮らすアイデア家具・食事・時間の工夫で変わる
日本で“ヒュッゲ” を感じて豊かに生きるヒントがいっぱい
デンマーク+日本の混合ヒュッゲで暮らしをもっと楽しもうイェンスさんは、気候が穏やかで食べ物がおいしく、ヒュッゲな気分になれる日本を愛するデンマーク人。
引用元:Amazon.co.jp「日本で、ヒュッゲに暮らす」イェンス・イェンセン(パルコ)
本書では、日本で「ヒュッゲする」文化を上手に取り入れた、日本人のためのヒュッゲな暮らしをご紹介。
デンマーク流のヒュッゲの工夫に、「こたつ」、「お鍋パーティー」、「銭湯」など、イェンスさんお気に入りの日本のヒュッゲを融合した日本に根付いたヒュッゲの実践的なアイデアです。
ひとことレビュー
ヒュッゲを知ってから憧れていたけど、『日本でヒュッゲな暮らしとは?』と思っていた。その疑問に答えてくれた本。のんびり心地よく、幸せな気持で過ごすことがヒュッゲなのだなと分かると、日本でヒュッゲな暮らしもできそうな気がした。家を心地よく整えて、大切な人とおいしいものを食べながらゆっくり楽しく過ごす。それなら私にも実践できそう。日常を大事に過ごしていきたいと思わせてくれる本だった。
「旅ドロップ」江國香織
あらすじ
小さな物語のような珠玉の旅エッセイ
《考えてみれば贅沢で無謀な旅だった。帰る日も決めず(お金の続く限りいようと思っていた)、泊る場所も決めず(いきあたりばったりの旅こそ私たちの憧れだった)、言葉もできず、でもともかく可能な限りいろいろな乗り物に乗り、可能な限り遠まわりをして、アフリカ大陸に行こうとしていた。/私とその友人は、十三歳のときに女子高で出会った。どちらも本が好きで外国に憧れていて、ドラマティックなことが好きでおいしいものが好きで、すぐに意気投合した。トーマス・クックの時刻表は私たちの宝物だった。ひろげて部屋の壁に貼り、「壁のその部分だけ外国みたいだ」と思っていた(「トーマス・クックとドモドッソラ」より)。
引用元:版元ドットコム「旅ドロップ」江國香織(小学館)
これは、二十歳の頃のヨーロッパ旅行の思い出。
海外への旅(パリ、ローマ、フランクフルト……ロシアとアフリカ)、そして国内の旅。でも、初めて入るデパートの食品売り場にも、一冊の本の中にも旅はある。
小さな物語のような珠玉のエッセイ37篇のほかに、旅をめぐる三篇の詩も収録した心に沁みわたる一冊。
ひとことレビュー
久しぶりの江國香織さん。彼女の文章が持つ、空気感が好きだ。 緑を浴びて、裸足で歩きたくなる。どこかに出かけたくなる。ふらっと非日常に足を伸ばしたくなる。 軽やかな味わいなのに心に残る、そんなエッセイだった。
「わたしをご機嫌にする休日: ひとりの休日が好きになる39の過ごし方」oto
あらすじ
ワクワクを届ける休日メディア『ホリデーノート』管理人がつづる、ひとりの休日の過ごし方。
エネルギーが欲しいときは自分だけのパワースポットへ行き、悶々とする日はカフェでジャーナリングTime。趣味のランニングを楽しんだり、疲れが溜まっているならヘッドスパで自分をとことん癒してあげる…。
引用元:Amazon.co.jp「わたしをご機嫌にする休日: ひとりの休日が好きになる39の過ごし方」oto(Amazon Services International LLC)
ひとことレビュー
SNSで紹介されて気になっていた本。リーズナブルで簡単なことから、ラグジュアリーで手間のかかることまで、『自分をご機嫌にする』色んな方法が書いてあった。 読んでいるだけでもストレス発散できて、スッキリ。自分を幸せな気分にできる術は、小さなことでいいからできるだけたくさん持っていたいなと思う。
この本はkindle限定書籍だから、Amazon以外で購入できないから気をつけてね!
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自己啓発本
「30代にしておきたい17のこと」本田健
あらすじ
「自分が誰なのか」、セルフイメージを定期的にチェックする。両親に感謝の気持ちを伝え、お別れしておく。自分の内に潜む、びっくりするほど「ダークな自分」と出会う。人とのつき合いと学びにお金を惜しまず、人脈を金脈に変える。自分の死をイメージし、自分のお葬式の弔辞を書いてみる。-ベストセラー『20代にしておきたい17のこと』の第二弾。
引用元:版元ドットコム「30代にしておきたい17のこと」
ひとことレビュー
読めてよかった。『これからの人生、私は何をしたいのだろう?』と年末から抱えていたモヤモヤの形を少し捉えることができた。30代は、もっと若い人と比べたら若くないけど、まだ十分若い。人生を諦めるような年齢じゃない。これをやると決める。ダメだったら、次に行けばいい。
『30代を無駄に過ごしてしまったのでは』と感じていたけど、どんなに努力しても叶えられないことがあるということも身をもって学んだ日々だった気がする。諦めて受け入れるという経験は、10代や20代の自分にはできなかった得難い経験だった。素敵な40代を送れるように生きたい。(読了日:1月8日)
「30代が楽しくなる方法 」中谷彰宏
あらすじ
30代は、迷う時代です。まだ自分探しをしている人もいます。
引用元:Amazon.co.jp「30代が楽しくなる方法」中谷彰浩(リベラル社)
大切なのは、探すことより、今与えられた状況を味わい尽くすことです。
リスペクトがあるからこそ、楽しめるのです。
中谷彰宏が教える「30代を楽しむ方法」。
ひとことレビュー
『今の私の目標って何?』『何もせずに30代が終わっちゃう!』と焦った時に、大学生の頃よく読んでいた中谷彰宏さんを思い出して読んでみた。読みながら考えさせられる本だった。グサっと刺さる言葉も多かったけど、大人になるほど痛い言葉って大事だなと改めて思わされた。10代の時も20代の時も色々悩んだけど、30代になっても別の角度から同じようなことで悩むんだな。(読了日:1月10日)
「うまくいかなくて、ちょうどいい。 「もう疲れた」と思ったら読む本」中谷彰宏
あらすじ
仕事、人間関係、健康、お金、将来、また、家族関係など、日々悩みは尽きず、毎日頑張っているからこそ、ふとしたときに「とても疲れている…」と感じることがあります。そんな人に向けて、中谷彰宏先生が元気が出る130の珠玉のメッセージを贈ります。疲れたと感じたとき、ページをめくると、そこにはあなたに今必要なメッセージがあるはずです。
引用元:版元ドットコム『うまくいかなくて、ちょうどいい。 「もう疲れた」と思ったら読む本』中谷彰浩(あさ出版)
ひとことレビュー
タイトルの通り『もう疲れた』と思ったら読む本。短くシンプルな文章なので、疲れていても読みやすい。どれか1つは『自分のための言葉だ!』と思えるものがあるはず。私は『今までの自分を否定しなくていい。新しい自分を追加すればいい。』がグッときた。(読了日:1月12日)
「毎朝1分でリッチになる」三宅裕之
あらすじ
お金持ちには「共通の習慣」があった!仕事もプライベートも充実させる「朝1分」の使い方。
引用元:版元ドットコム「毎朝1分でリッチになる」三宅裕之(サンマーク出版)
ひとことレビュー
お金持ちになるというよりは、心豊かに生きるための習慣が書かれた本。自分の中身を充実させたくて再読してみた。全てを実行するのは難しいけど、取り入れたい習慣がいくつもあった。今は毎朝鏡を磨いて玄関を水拭きしているけど、そうすることで気持ちよく1日を始められて気持ちがいい。きっと、こういう小さな心地よさの積み重ねで豊かさが出来上がるんだろう。行動の積み重ねが習慣となり、習慣が変われば人生が変わるというのはこういうことかと実感させられた。(読了日:1月25日)
kindle unlimited対象作品だから、利用者は追加料金なしで読めるよ!
「40代にとって大切な17のこと」本田健
あらすじ
人生で「いちばん苦しい」10年をどう生きるか――
40代は人生の折返し地点であり、後半生の指針が決まる大事な時期。
ここで仕事や家族にとらわれて自分をないがしろにするか、あるいは自分をシフトチェンジして、新しいステージ進むか――
引用元:Amazon.co.jp「40代にとって大切な17のこと」本田健(きずな出版)
この選択で運命が変わります。
ひとことレビュー
『私の30代、これでよかったのだろうか…』との思いから、素敵な40代を迎えたいと思って読んでみた。が、まだ心のど真ん中には響かなかった。けれど、こういう悩みに直面するんだな、こういう心持ちが必要になるんだなということは十分に学べた。とりあえず、今をできることを頑張る。そして、今の延長線よりは少しワクワクする40代になれたらいいなと思う。また40代になったら読みたい。(読了日:2月4日)
「人生の地図」高橋歩
あらすじ
たった1度の人生。限られた時間の中で、自由に、自分の好きなように、人生という名の旅を楽しむために・・・。「自分を知る」ということをテーマに、インスピレーション溢れる言葉と写真を詰め込んだ、高橋歩、渾身の作品。
引用元:FACTORY A-WORKS「人生の地図」
ひとことレビュー
当ブログの『名刺代わりの実用書3選』にも取り上げた、10代の頃繰り返し読んだ本。 30代になって改めて読むと、見える景色が違った。 10代の頃には憧れを感じた言葉だったけど、これはもがいて大人になった人たちの必死の言葉だったんだな。20代の頃は青臭く感じてしまっていたのだけど、今読むとまた改めて響く言葉ばかりだった。(読了日:3月4日)
「30代にとって大切な17のこと」本田健
あらすじ
油断すると一瞬で過ぎていく10年間を、悔いなく送るための秘訣とは?激動の時代を生きるすべての人に贈る渾身のメッセージ。
引用元:Amazon.co.jp「30代にとって大切な17のこと」本田健(きずな出版)
ひとことレビュー
個人的には「30代にしておきたい17のこと」の方が心に響いたけど、考えさせられる本だった。どんな人と一緒に過ごしたいのか、どんな人生を過ごしたいのかは答えられても、人生の目的は?と問われるとすごく難しい。たぶん答えることよりも考えることの方が大事なんだろうな。
「フランス人は10着しか服を持たない」ジェニファー・L・スコット
あらすじ
間食はせず、食事を存分に楽しむ。上質な物を少しだけ持ち、大切に使う。日常のなかに、ささやかな喜びを見つける。典型的なカリフォルニアガールだった著者は、フランスの貴族の家にホームステイすることになる。その家を取り仕切るマダム・シックから学んだ、毎日を”特別な日”のように生きること。
引用元:版元ドットコム「フランス人は10着しか服を持たない」ジェニファー・L・スコット(大和書房)
ひとことレビュー
ちょっと前に話題になった自己啓発本。自分の生活を見直したいと思って読んでみた。『こういう生き方、素敵だな』と思う部分もあれば、『これは私の参考にはならないな』と思う部分もあったけど、『今の生活を楽しみたい』というマインドに溢れているから、読んでいて前向きに変わりたいと思わせてくれる本だった。真新しいことが書いてあるわけではないけど、パリにいる間だけでなく、帰国して自堕落な生活に戻った後に、パリの生活を思い出して、自分の生活に取り入れ直したところがすごいと思う。異国の地で憧れを持つことは誰しもあるだろうけど、そこで得た知見を自分の日常に取り入れられる人は多くないと思うから。
「シンプルに生きる 人生の本物の安らぎを味わう」ドミニック・ローホー
あらすじ
シンプルな生き方を実践すると、人生は上質なものとなり、揺るぎのない幸福があなたを包みだします。
シンプルな生き方を選ぶ人イコール、ミニマリストの秘訣は、「良いものをより良いものと交換することを躊躇しない」「ものを処分したり他人にあげたりすることに罪悪感を抱かない」「自分の家が火事になったと想定し、まずなにを買うべきかリストを作ってみる」「時間をかけて本物だけを揃える」「欲求と必要の違いを区別できるようにする」などなど、生活の基本にしたいことばかり。ワードローブひとつとっても、次々と買い求め着ない服に埋もれていてはセンスは磨けません。同様に、時間も、お金も人づきあいも、シンプルな視点でとらえることで、今日から自分の可能性を再発見できるのです。
引用元:版元ドットコム「シンプルに生きる 人生の本物の安らぎを味わう」ドミニック・ローホー(講談社)
ひとことレビュー
住まいや物の所有に関する考え方、ファッションについては大いに参考になった。物を持ち過ぎないで、本当に好きな物を少量、品質の良い物を持つ方が満足度が高いというのは最近とても感じているので、すごく共感できた。美容と健康についてはちょっと賛同できない部分もあったので、『そういうスタイルの人もいるんだ』程度に読んだ。
『「自分」整理術 好きなものを100に絞ってみる』山崎まどか
あらすじ
もう大人と呼べる年齢なのに「自分らしいスタイル」が定まらない
引用元:版元ドットコム『「自分」整理術 好きなものを100に絞ってみる』山崎まどか(講談社)
――そんな悩み解消のヒントになる一冊。
もしも自分を「クローゼット」にたとえ、「好きなもの」を整理し、100個に絞ったら? ファッション、音楽、本、アートなど、国内外のあらゆるシーンに精通する著者が悩みつつ厳選した100項目は、単に所有したくなるのではなく、何かしたくなる、どこかに行きたくなる、そんな「アクション」に繋がるものばかり。この本を開けば、ワクワクするような世界に出会えるはず。そして同じように「自分整理」することで、「自分らしいスタイル」を再発見できるはず。
情報が氾濫している現代、「自分」整理術は、自分を見失わない為の心強い味方になってくれます。
ひとことレビュー
好きなものを100個挙げて、それがなぜ好きなのかについて書かれた本。コンセプトに惹かれて手に取ってみたのだけど、著者の色んな好きなものが出てきて、こんなに色々好きなものがあるなんて素敵だなと思いながら読んだ。著者の好きなものが私とあまり合致しなかったのは残念だったけど、自分の好きなものを再発見したい人におすすめの本。
「200着の服を8割減らしたら おしゃれがずっと楽しくなった」ponpoco
あらすじ
人気ブログ『ぜいたくゆるミニマリスト』初の書籍化。
元浪費家が失敗から学んだ、無理しないミニマルライフの極意を紹介。30代、2児の母。狭小住宅でコンパクトな暮らしを楽しむponpocoさん。
おしゃれ大好き、買い物大好きで、20代の頃は浪費家だったといいます。
カルティエの時計やバーキンなどブランド物を買う→使いこなせず手放す、などの失敗も繰り返してきました。
結婚後、ミニマリストに目覚め、徐々にモノを減らすことに成功。
200着あった服を8割以上減らし、現在手持ちの洋服は30着以下。「稼働率100%のワードローブ」でおしゃれを楽しんでいます。「余計なモノと執着心を手放したことで、自分らしさが見えてきました」と語るponpocoさん。
引用元:版元ドットコム「200着の服を8割減らしたら おしゃれがずっと楽しくなった」ponpoco(扶桑社)
今すぐ真似したい、ファッション、暮らし、心の持ち方をつづった一冊です。
ひとことレビュー
ついついモノを買い過ぎてしまう、家に洋服はあるのに着る服がない、クローゼットを整理したいという人におすすめの本。断捨離を行うにあたって読んでみた。モノを捨てる基準や選ぶ時のポイントが書かれているので、とても参考になった。知り合いに会いたくないと感じる服は捨てる。ちょっと欲しいモノではなく、本当に欲しいモノを買う。著者はプチプラもハイブランドも生活の中に取り入れていて、本当に自分に合うモノを選んでいる感じがして、そこが好きだと思った。
ファイナンス
「大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術」竹川美奈子
あらすじ
株や投資信託で得た利益にかかる税金がゼロになるNISA(少額投資非課税制度)が大改正!
引用元:版元ドットコム「大改正でどう変わる? 新NISA 徹底活用術 」竹川美奈子(日経BP 日本経済新聞社)
「2024年から何が、どう変わるのか?」「今のNISAはどうなるの?」「どんな商品を買えばいい?」など、あらゆる疑問に答えます!
ひとことレビュー
新NISAの内容を改めて確認するために読んだ本。新NISAの制度についてとても分かりやすくまとまっていた。新NISAについて確認したい人にうってつけ。ただ、投資の基礎知識がゼロの段階で読むと分かりにくいかもしれない。実際にNISAを始めようと思うなら、投資について書かれた本も読んだ方がいいと感じた。(読了日:1月6日)
「新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資」配当太郎
あらすじ
2024年からスタートした新・NISA制度。投資期間が無期限になり、投資額の上限も上がったため、利益に対する非課税の魅力がさらに増し、新たに投資をする人が増えています。その新NISAでぜひ試してほしいのが、配当株投資です。配当金が非課税になる新NISAのメリットを使えば、投資すればするほど配当金がどんどん貯まる仕組み。従来より短期間で、より多くの配当収入を得ることが可能といわれています。本書では、前作『年間100万円の配当金』より目標額を大きくアップ! 新NISAだからこそできる配当株投資で年間240万円
引用元:版元ドットコム「新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資」配当太郎(クロスメディア・パブリッシング)
ひとことレビュー
配当狙いで投資をしている人にもってこいの本。程度の差こそあれ、一般人に無理なくできる投資内容だった。どういう視点で株を選ぶのか、どういう目標を立てて投資をするのか、とても参考になった。
その他ノンフィクション
「ブログで5億円稼いだ方法」きぐち
あらすじ
ブログだけで5億円稼いだ男の全ノウハウを公開!
最短で収益を出すブログの始め方、読んだ人を行動させるライティング、グーグルに負けないSEO対策、ブログが劇的に変わるアクセス解析法、影響力を高めるSNS活用法、ブログ継続のコツ。大逆転ノウハウをすべて教えます!
「副業クエスト」管理人、きぐち氏の初著書。コンビニバイトとして生活費を稼ぎながらブログを書き続け、5億円を達成した男は何をしてきたのか?
本企画は、ブロガーきぐち氏の「ブログ収益化の全ノウハウとこれまでの軌跡」に焦点を当てたものです。しかしその道のりは、決して順風満帆だったわけではありません。
最初の3年間は無収入。決して諦めず、コツコツ記事を書き続け、4年目にしてようやく収益が出るように。その後は右肩上がりで収益が伸び続けるも、Googleのアルゴリズム変更により収益は激減。対策を打ち、持ち直してきたところで、今度はトレンドの変化が起こり、ブログコンセプトの変更を迫られる―――
「ブログで稼ぐノウハウ」の解説にとどまらず、5億円を稼ぐまでの軌跡にも焦点を当てており、著者の「18年間の血と汗と涙」を追体験できます。
引用元:版元ドットコム「ブログで5億円稼いだ方法」
ひとことレビュー
読書ブログを始めて1年と数ケ月。PV数も伸びないし、収益も伸びないし、どうしたら!と思って読んでみた。収益0から5億も稼ぐブログに育てたきぐちさんの話なので、説得力があった。持病もあって作業時間少ないけど、1つずつ実践してみようと思える内容だった。(読了日:1月19日)
「禅とジブリ」鈴木敏夫
あらすじ
「過去、未来じゃなく、もっと今のことを考えなきゃ」──スタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫氏が禅僧と奔放対談。対するは、玄侑宗久氏(作家・福聚寺住職)、横田南嶺氏(臨済宗円覚寺派管長)、細川晋輔氏(龍雲寺住職)の三人。『もののけ姫』『火垂るの墓』などジブリの名作から、死生観や人生哲学などを禅的に読みとき、宮崎駿・高畑勲両監督との映画制作の経験に照らして禅を語ります。月刊『なごみ』連載に対談と鈴木氏のエッセイを追加収録。
引用元:版元ドットコム「禅とジブリ」鈴木敏夫(淡交社)
ひとことレビュー
鈴木敏夫氏と3人の禅僧の対談集。 禅の教えと鈴木氏の人生観が混ざり合っていて、おもしろかった。いくつも印象的な言葉があり、メモを取る手が止まらなかった。中でも一番印象に残ったのは『即今目前』。つまり、今を生きよ。きっともっと、私たちはあるがままの姿を受け入れていいのだろう。未来に不安を感じた時にまた読みたい本。(読了日:1月23日)
『寄り添うツイッター わたしがキングジムで10年運営してわかった「つながる作法」』キングジム公式ツイッター担当者
あらすじ
地味な文具メーカーなのに、フォロワー数36万人!キングジム公式ツイッター担当者が、運営にまつわるエピソードをぜんぶ語る!ノウハウなし、予算ゼロ、担当は1人……。あらゆる逆境を乗り越えながら、いかにして人気アカウントにまで育て上げたのか。誰も教えてくれなかった、「広報としてのSNS」がわかる本、爆誕。
引用元:版元ドットコム『寄り添うツイッター わたしがキングジムで10年運営してわかった「つながる作法」』キングジム公式ツイッター担当者(KADOKAWA)
ひとことレビュー
企業のTwitter運営の軌跡を書いた本を読んで、まさか声を上げて笑うことになろうとは思わなかった。企業アカウントの中の人の試行錯誤が書かれており、読み物としてもおもしろい。何を目指すのか、どんなアカウントにしたいのかを考えて、ブレずに発信し続けたキングジム姉さんが、社会人としてすごく素敵と思った。(読了日:2月19日)
kindle unlimited対象作品だから、加入している人は0円で読めるよ!
「骨格診断×パーソナルカラー 似合う服だけでつくる 春夏秋冬ワードローブ」二神弓子
あらすじ
骨格診断シリーズ累計19万部!
引用元:版元ドットコム「骨格診断×パーソナルカラー 似合う服だけでつくる 春夏秋冬ワードローブ」二神弓子(西東社)
●骨格3タイプ×カラー2タイプ=6タイプ別のワードローブ&着回し
●ファッションの常識!骨格診断とパーソナルカラーがよくわかる
●春夏・秋冬に分けた一年の着こなしを提案!
ひとことレビュー
今まで読んだ骨格診断×パーソナルカラーの本の中で1番分かりやすかった気がする。いつも診断チャートでつまずくので、回答しやすいのは本当にありがたかった。好みと似合うは違うけど、『こういう場合はこういう素材を取り入れて』みたいに好みを否定せず、改善ヒントをくれるのが素敵だった。(読了日:3月6日)
kindle unlimited対象作品だから、メンバーは0円で読めるよ!
「印象派美術館」島田紀夫
あらすじ
その成り立ちから世界への広がりまで、これ1冊で印象派のすべてがわかる、日本初の決定版。世界21か国165の美術館、大学、コレクションなどが収蔵する660点あまりの名画を、世界最高水準の印刷技術で美麗に再現。モネ、ルノワール、ゴッホなど、登場する画家は140人以上。美をめぐる感動の人間ドラマ、画家たちの真実に迫る物語を、日本の第一線研究者たちが、最新の研究成果に基づきわかりやすく紹介。翻訳物にはない読みやすさ、おもしろさです。また、興味深いエピソードをテーマごとに詳しく解説した「テーマ特集」や、時代背景を知るための「トピック」などコラムも充実。初心者から上級者まで、誰もが楽しめる内容です。
引用元:版元ドットコム「印象派美術館」島田紀夫(小学館)
ひとことレビュー
印象派の作品を集め、時代背景や画家の生涯、絵画の説明などを記した本。タイトル通り「印象派美術館」に行ったような気分になれて、すごく楽しかった。今まで印象派=モネ、ルノワールなど点としてしか認識していなかったものが、印象派誕生の背景や画家たちの関係を説明してもらえたことで、立体的に捉えられるようになった。印象派好きの人は一読の価値あり。
「とりあえず、素人っぽく見えないデザインのコツを教えてください!」ingectar-e
あらすじ
脱・素人っぽさから抜け出すデザインの入門書が完成! 理由はわからないけど読みにくい、色やフォントが選べない、写真や文字をどう配置すればいいのかわからない…、デザインをするなかで、「なんか素人っぽいな…」と悩むことありませんか? この本ではデザイン初心者さんでも、これだけ覚えておけば間違いない基本と、デザインがプロっぽく見えるコツを5つのカテゴリーに分けて解説。今日から実践できるデザインテクニックばかりです。
引用元:版元ドットコム「とりあえず、素人っぽく見えないデザインのコツを教えてください!」ingectar-e(インプレス)
ひとことレビュー
素人だけどオシャレなデザインのものを作りたい人にうってつけの本。とりあえずオシャレに見せるために気をつけるべきことが端的に書いてあって、すごく実践的だった。すごく分かりやすいし、本当に素人でもできるレベルの内容で、『こんな本待ってました!』と言いたくなった。
「好かれる人が無意識にしている文章の書き方」中谷彰宏
あらすじ
コミュニケーションがうまくいく秘訣は、好かれる文章です。
引用元:Amazon.co.jp好かれる人が無意識にしている文章の書き方」中谷彰宏(すばる舎)
実際に話すより、ネット上の文章のやりとりが日常の多くを占めています。
本書では、言葉選びのコツから、何を書くのか、書くときにやってはいけないことまで53のポイントを紹介。メールにSNS、ブログまで、つい読んでしまう感じがいい文章の秘密を、言葉のプロが大公開。
ひとことレビュー
メールやSNS、ブログを書くことを念頭に置いた、好かれる文章を書くための本。 ちょっとした言葉尻が印象を決めてしまうことがある。でも、結局大事なのは、相手を思いやって書いているか否かなのだと感じた。『書かないテーマを決める』『文字でケンカをしない』などはとても共感できた。
『人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』篠田謙一
あらすじ
古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とは――。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。
引用元:版元ドットコム「『人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』篠田謙一(中央公論新社)
ひとことレビュー
大学生の頃に興味があって、この手の本をたくさん読んだけど、ここ10年でこんなに色々と新たな発見がされていたのかとビックリ。どこから出土したいつ時代の化石の解析からこういうことが分かって…と細かく書かれているのだけど、詳しいが故にちょっと難しい。古代ゲノムの研究が、言語学(祖語がとこで成立したのかなど)の解明にも影響を与える点は面白かった。
「読書は1冊のノートにまとめなさい 完全版」奥野宣之
あらすじ
あなたは、これまで読んだ本のことをどれだけ覚えているでしょうか?
きっとほとんどの人が忘れているはずです。
何らかのエッセンスが自分に影響を与えているはず…と思っても、
昨日の食事すら思い出せないのが人間。
読みっぱなしで頭に残らない読書では意味がありません。本書は、「探す」「買う」「読む」「記録する」「活用する」という読書体験の5段階を
引用元:Amazon.co.jp「読書は1冊のノートにまとめなさい 完全版」奥野宣之(ダイヤモンド社)
ノートで効果的にマネジメントし、読んだ内容を確実に自分の財産にする読書術です。
ひとことレビュー
読書を有意義なものにしたい、記録に残したいと思って読んでみた。 これは単に読書ノートと言うより、読書を軸にした人生の記録。 読書が自分の財産になるように、私なりのやり方で記録を残したいと思った。ついつい本を買い過ぎてしまう人、家に本はいっぱいあるのに読みたい本がない人、読んだ本の内容を忘れてしまう人、今の読書スタイルを見直したい人などにおすすめの本。
「おとぎ話と神話に隠された古代史の真実」関裕二
あらすじ
お伽話を読み解くことで、古代史の隠された真実が解ける!
桃太郎、浦島太郎、かぐや姫、一寸法師、海彦山彦……誰もが幼きころから耳にしてきたお伽話。実はそのお伽話たちには古代史の謎を解き明かすヒントが散りばめられている。古代の日本の歴史が書かれているとされている『古事記』や『日本書紀』に登場する神話は、お伽話よく似ているものが多い。(中略)
歴史は時の勝者に都合よく改ざんされ、史実として残されてきている。お伽話には時の権力者に敗れ去った者たちをしのび、権力者を寓話になぞらえて糾弾するものが多い。お伽話を読み解きことで、古代史の隠された真実、秘められた謎が解けてくる。
引用元:版元ドットコム「おとぎ話と神話に隠された古代史の真実」関裕二(笹間書院)
ひとことレビュー
御伽話や神話から隠された古代史を読み解く書籍。 古代史は全然詳しくないので難しかったし、読みやすい本とは言えなかった。けれど、日本書紀や古事記が編纂された当時の時代背景が分かると、その中身の見方も変わってくる。 歴史書が勝者の輝かしい記録という側面があるのなら、おとぎ話に敗者の苦しみが隠されているという一面もあるのかもしれない。やっぱり歴史は面白い。
「ここちよさの建築」光嶋裕介
あらすじ
「自分」だけの住まいの幸福論
オンラインで人とつながることが増え、多くの時間を家で過ごすようになった今、私たちがより幸せに住まうためにはどうすればいいのか。本書では「建築と建物の違い」「建築を形作る用・強・美」 など、建築家が重視する「建築のそもそも」を学ぶことで、自分の住まいのあり方を捉え直していく。その上で、「好きなものを集める」「ホッとする空間をつくる」「手入れする」など、身近なところから「ここちよい住まいの作り方」を提案する、実践的入門書。
引用元:版元ドットコム「ここちよさの建築」光嶋裕介(NHK出版)
ひとことレビュー
建築を理性的に解釈し、空間の心地よさを感覚的に知るためのヒントを教えてくれる本。 自分がどんな空間が好きで、どんな環境が心地よいのか、それを知るために必要な取っ掛かりを得た気がする。「ここちよさの七つの条件」は共感できるものばかりだったので、心地よい我が家を作る参考にしたい。
「沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う」山舩晃太郎
あらすじ
恋人や家族が戯れる海の底で沈没船を発掘せよ! 気鋭の学者の初エッセイ。英語力ゼロなのに単身渡米、ハンバーガーすら注文できず心が折れた青年が、10年かけて憧れの水中考古学者に。その日常は驚きと発見の連続だった! 指先さえ見えない視界不良のドブ川でレア古代船を掘り出し、カリブ海で正体不明の海賊船を追い、エーゲ海で命を危険にさらす。まだ見ぬ船を追うエキサイティングな発掘記。
引用元:版元ドットコム「沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う」山舩晃太郎(新潮社)
ひとことレビュー
軽快な語り口で、水中考古学という学問を全く知らなかった私でもすごく楽しめた。水の中に潜って遺跡の発掘をし、学術的な研究をする。ロマンだ!この本を読んで水中考古学者になる子供もきっといるはず。そして、大人が読み物として楽しむのももちろんいいけど、高校生や大学生が読んだら勇気をもらえる気がした。今、合格ラインに到達していなくても、本当にやりたいと思うなら諦める必要なんてないってきっと思えるはず。だって、マックで注文ができなくても、TOEFLの読解1点でも、死ぬほど勉強すればPhDを取って学者になれるのだから。
「南北朝動乱 太平記の時代がすごくよくわかる本」水野大樹
あらすじ
日本史上唯一! 二人の天皇が並立!
なぜ、皇統は分裂状態したのか!?
天皇、公家、武士……、国を二分した56年を追う!日本史のいける室町時代は地味な扱いであり、
引用元:Amazon.co.jp「南北朝動乱 太平記の時代がすごくよくわかる本」水野大樹(実業之日本社)
学校の授業でもあまり時間をかけて教えられずに、スッと抜けてしまっている人が多い。
しかし、「応仁の乱」ブームにより、室町時代にスポットが当てられつつある。
本書は鎌倉幕府の滅亡から南北朝の動乱までを書いた文学作品「太平記」を、
地図、図版、などを用いて、わかりやすく解説。
鎌倉時代滅亡から室町幕府開幕までの南北朝時代の混沌とした変遷を、
忠義や裏切り、野心など実に人間らしく生々しい登場人物評とともに紹介していく。
ひとことレビュー
「逃げ上手の若君」を見て、鎌倉幕府末期から室町幕府成立までの流れを改めて知りたいと思い、読んでみた。鎌倉幕府での北条家の立ち位置、後醍醐天皇が討幕を企てた理由、楠木正成や新田義貞、足利尊氏の動向など、まさに私が知りたいと思っていたことが書いてあって、とてもおもしろかった。学校で学んだ時は重要とされる出来事を点として学ぶだけだったし、中世史に対する興味は大きくなかったけど、こうしてストーリーとして見ると点と点の間にある線が見えて興味深かった。
「読書は鼻歌くらいでちょうどいい」大島梢絵
あらすじ
積読・ジャケ買い当たり前女子に贈る
飾りたくなる読書エッセイ
読めば本がもっと好きになる――Instagramで人気急上昇中の読書インフルエンサー
大島梢絵さんの初著書となる読書エッセイ。
本の読み方や選び方、おすすめ本をたっぷり収録し、
カジュアルな読書論としてまとめました。
イラストは、のりcorinさん。
本にまつわるさまざまなシーンが大人かわいく描かれています。読書初心者には、本好きさんになる出会いの一冊に。
本好きさんには、もっと本が好きになる一冊に。
読書家さんには、やっぱり本が好きだと再確認できる一冊に。読書を始めたい方へ、本好きの方へ、読書から遠ざかっていた方へ、
引用元:版元ドットコム「読書は鼻歌くらいでちょうどいい」大島梢絵(辰巳出版)
ギフトにもおすすめです。
発売を記念して、今だけ限定しおり付き!
ひとことレビュー
本好きあるあるがたくさん書かれていて『それ分かる!』と始終共感しっぱなしだった。 本を読めないほど元気がない時に読んだら、きっと心が軽くなる気がする。どんな読み方でもいいんだなと肯定してくれる本。本を読んでみたい人、本が大好きな人におすすめ。私はこの本を読んで、『この本を持っている自分が好き』という本だけを集めた本棚をいつか作ってみたくなった。
「ポチらせる文章術」大橋一慶
あらすじ
販売サイト・ネット広告・メルマガ・ブログ・ホームページ・SNS…
全WEB媒体で効果バツグン!
カリスマコピーライターが教える「見てもらう」「買ってもらう」「共感してもらう」すべてに効くネット文章術本書では、あなたに「ポチらせる文章」の書き方をお伝えします。ポチる、というと「ネットで商品を買う」という意味で使われる人が多いと思います。著者の大橋さんはコピーライター。言葉で商品やサービスを買わせるプロ。この本には、読まれる提案・キャッチコピー・ボディコピー・商品認知ステージといった、どんな媒体、どんな商品にも有効なコピーのポイントが詰まっています。「でも、コピーのすごいところは媒体を問わず“発信力”を上げられるところ」と大橋さんは言います。実際、著者が運営する「みんなのコピー」という会社のフェイスブックページには1万件以上のフォロワーがいます。これは、大橋さんの情報を求める人が1万人以上いるということ。つまり、本書の文章術を学べば、多くの人が「うわ。気になる。読んでみたい」と思ってもらえるメッセージが、作れるようになるのです。文章の力で商品・サービスを売りたい人はもちろん、ブログやSNSで発信力を上げたい人に必ず役立つ、ネット文章術の決定版ができました!
引用元:版元ドットコム「ポチらせる文章術」大橋一慶(ぱる出版)
ひとことレビュー
とても分かりやすいコピーライティングの本。以前同じような内容の本を読んだけど、この本はその何倍も分かりやすかった。例文も身近だし、書いてある言葉も平易だから、理解しやすい。初めてコピーライティングの本を読む人におすすめの1冊。分厚くないから、読む前に心が折れないし、読み返すのも簡単。
「人生を彩る教養が身につく 旅する世界史」佐藤幸夫
あらすじ
観光地を「見る」だけで終わりにしていませんか?
旅先として人気の遺跡たちが見てきた≪歴史の流れ≫や
「絶景」と言われる場所の背景にある≪歴史のダイナミズム≫を知れば
名所を目の前にした時の解像度が上がります。知識を携え、人生を彩る旅に出かけましょう。
引用元:版元ドットコム「人生を彩る教養が身につく 旅する世界史」佐藤幸夫(KADOKAWA)
ひとことレビュー
コンセプトが素敵だなと思って読んでみた。 第1部の世界史のメジャーどころに関しては、物足りない内容。「地球の歩き方」を読んだ方が分かりやすいと思う。記載されている場所を載せた地図が付いていないので、いちいち調べるのが面倒だった。でも、第2部の学校では集中的に学ばないチェコやバルカン半島などに関しては、歴史の概要が掴めるし、美しい写真に興味が引かれて楽しかった。
「図解 いちばんやさしい古事記の本」沢辺有司
あらすじ
日本の神々の物語をまとめた本、これが『古事記』です。日本には、ギリシャ神話や北欧神話にも匹敵する、神々の豊かな物語があります。(中略)単に物語を読むだけでなく、『古事記』にはどのようなメッセージが隠されているのか、さまざまな謎を掘り下げる面白さもあります。『古事記』は大和政権側の視点でまとめられています。全体としては、大和政権側の「天つ神」が、地方の「国つ神」を平定するという構造になっています。この構造を知っているだけでも、神話への理解が深まります。また、今も各地にまつられている神々の物語を知ることで、その地方のルーツを改めて見直すこともできます。
本書では、さまざまな側面から『古事記』に迫っています。本書を通して、ミステリアスで奥深い魅力をはなつ『古事記』の世界を堪能していただけたら幸いです。
引用元:版元ドットコム「図解 いちばんやさしい古事記の本」沢辺有司(彩図社)
ひとことレビュー
民俗学ミステリーを読むようになって、古事記の背景がしりたいなと思って読んでみた。古事記が成立した背景や名場面などが分かりやすく語られていて、とても分かりやすかった。単に神話の内容を記しているだけでなく、古事記がどういう立ち位置から作られたのか、歴史の中でどういう扱いを受けてきたのかも書かれているので、神話の中に隠された史実に思いを馳せることができておもしろい。内容は分かりやすいけど、『図解』ではない。
「暮らしを変える書く力」一田憲子
あらすじ
会いたい人に会えないことが多くなった昨今、コミュニケーションに必要なのは「言葉」です。
引用元:版元ドットコム「暮らしを変える書く力」一田憲子(KADOKAWA)
SNSやインスタグラムなどが浸透し、誰もが「書き手」であるからこそ、誰かに届く言葉を持つことは、今後の人生を左右します。
本書では、「暮らしのおへそ」などで、多くの女性から支持を得ている著者が考える、伝わる文章の書き方をまとめました。
SNSはもちろん、手紙、誰かに何かを頼むとき、何かを謝罪するときなど、言葉が重要になるシチュエーションはたくさんあります。
心を込めるのはもちろん、相手に届く言葉とは何かを深く考えた1冊です。
ひとことレビュー
文章の書き方の参考になればと手に取ってみたけど、ちょっと説明が感覚的で、残念ながら私には合わなかった。日常で文章を書くときのマインドを学ぶにはいいのかもしれない。
kindle unlimited対象作品だから、メンバーは0円で読めるよ!
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(2024年1月9日現在の情報です。このブログをお読みになっている時点では行っていない場合があります。詳しくは
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