こんにちは。キノです。
今回は立東舎から刊行されている「乙女の本棚」シリーズをご紹介します。

私は、本好きなのに文学作品は苦手でほとんど読んだことがなかったのですが、このシリーズに出会ってから『文豪の名作』が読めるようになりました。
文学作品に興味はあるけど、ちょっと敷居が高いと感じている人にぜひ手に取ってもらいたいシリーズです。
「乙女の本棚」シリーズとは?
「乙女の本棚」シリーズは、文豪の名作に人気イラストレーターのイラストをつけたコラボしたシリーズです。
例えば、泉鏡花の「外科室」にホノジロトヲジさんのイラストがついていたり。
森鴎外の「高瀬舟」にげみさんのイラストがついていたり。
サイズは文庫本より大きなB5変型判なので、画集として楽しむこともできます。



イラストがとてもキレイで、眺めているだけでもテンションが上がる…!



ちょっと大きいから持ち運びには向かないけどね。
どの作品も40~130ページ程度と短いので、文学作品や長編に苦手意識のある人でもトライしやすい長さです。
- 文学作品に興味はあるけど苦手意識がある人
- 長い作品が苦手な人
- かわいいイラストが好きな人
「乙女の本棚」シリーズの感想
次に、私が読んだ「乙女の本棚」シリーズの感想を書いていきたいと思います。
「人間椅子」江戸川乱歩+ホノジロトヲジ


あらすじ
私の膝の上には、いろいろな人が入りかわり立ちかわり、腰をおろしました。作家である佳子に届いた1通の手紙。「奥様」と始まるその文章には、ある椅子職人の生活が綴られていた。江戸川乱歩の『人間椅子』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『死語の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
引用元:版元ドットコム「人間椅子」江戸川乱歩・ホノジロトヲジ(立東舎)



初めて読んだ「乙女の本棚」シリーズです。
江戸川乱歩に興味はあるものの、何から読んでいいか分からず手を付けていなかったのですが、素敵なイラストに惹かれて手に取ってみました。
読んでみて、そのおもしろさにビックリ!『さすが文豪!』と勝手に納得して、江戸川乱歩のファンになりました。
「人間椅子」は結末が先に分かるとおもしろさが半減してしまうので、ぜひ前情報なしに読んでほしいです。
「外科室」泉鏡花+ホノジロトヲジ


あらすじ
人気シリーズ「乙女の本棚」最新作は泉鏡花×「刀剣乱舞」イラストレーターのコラボレーション!
引用元:Amazon.co.jp「外科室」泉鏡花、ホノジロトヲジ(立東舎)
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!
外科室での手術で麻酔を拒否する夫人。その視線の先には、外科医・高峰がいた。
本書は、有名小説と人気イラストレーターによる珠玉のコラボレーション・シリーズ「乙女の本棚」の1冊です。今作では、『刀剣乱舞』のキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『瓶詰地獄』を担当するなど、数多くのイラスト・マンガを手がけるイラストレーター・ホノジロトヲジが泉鏡花を描きます。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。オールカラーで小説と描き下ろしイラストが楽しめます。



泉鏡花は名前しか知らなかったのですが、「文豪ストレイドッグス」を見て興味が湧いたので読んでみました。
短い物語の中で濃厚なストーリーが展開されてビックリ。『えっ!?』とビックリさせられた後の緩急あるストーリーは、まるで映像を見ているようでした。正直、登場人物たちに共感はできなかったのですが、背景などをよく考えると納得できる部分もあったりして、読後の考察しがいのある作品でした。
「女生徒」太宰治+今井キラ
あらすじ
太宰治の『女生徒』が、ファッションブランドAngelic Prettyなど、乙女心をくすぐる作品で知られるイラストレーター今井キラによって、鮮やかに現代リミックス。全イラスト書き下ろしで贈る、珠玉のコラボレーション。
引用元:版元ドットコム「女生徒」太宰治, 今井キラ(立東舎)



ジャケ買いと同じ感じで、かわいいイラストに惹かれて手に取った作品です。
何が描かれているのかよく分からないまま読み始めたのですが、太宰治は男性なのに思春期の女の子の心情がよくこんなに分かるなと驚きました。瑞々しくて純粋で、泥っとした醜い感情。正直好みの作品ではなかったのですが、不思議と心に残る作品でした。
「桜の森の満開の下」坂口安吾+しきみ
あらすじ
桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません。
引用元:版元ドットコム「桜の森の満開の下」坂口安吾(著), しきみ(イラスト)(リットーミュージック)
鈴鹿峠に住む山賊は、新しい女房をさらってきた。だが、彼女はどうも他の女たちとは違っていて、彼のことを恐れず、そればかりか……。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは萩原朔太郎『猫町』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』、夏目漱石『夢十夜』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。



『春らしいタイトルの作品を読みたいな』と思って選んだ1冊です。
美しいタイトルとは違い、ホラーチックな禍々しさのあるストーリーでした。美しさと背筋がゾゾっとする感じを同時に味わえる不思議な読み心地でした。
まとめ
今回は文豪と人気イラストレーターがコラボした「乙女の本棚」シリーズをご紹介しました。
私自身、本は好きなのに文学に苦手意識があり、文学作品を手に取る時は『最後まで読めないんじゃないか』『自分には理解できないんじゃないか』と不安だったのですが、乙女の本棚に出会ってからは身構えずに文学作品を手に取れるようになりました。



『文学作品=難しい』と思ってしまいがちですが、読んでみたらおもしろい作品ばかり。さすが文豪!笑



仮に文豪の作品をおもしろく思えなくても、素敵なイラストを眺めるだけで楽しいよね。
私のように文学作品に苦手意識がある人や、長編が苦手な人でも楽しめるシリーズなので、興味のある方はぜひ手に取ってみてください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。