【Review】では、最近読んでおもしろかった作品をご紹介しています。
今回ご紹介するのは「水曜日の手紙」です。
優しくてほっこりする語り口で、自分の中のドロドロした気持ち消化する手助けをしてくれる作品です。
基本情報
タイトル | 水曜日の手紙 |
著者 | 森沢 明夫 |
出版社 | KADOKAWA |
ページ数 | 288ページ |
発売日 | 2018年12月7日 |
あらすじ
会うことのないあなたへ――最小で最高の、幸せのバトンをお届けします。
水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、見知らぬ誰かの日常が記された手紙が届くという「水曜日郵便局」。主婦の直美は、職場や義父母との関係で抱えたストレスを日記に吐き出すだけの毎日を変えたいと、理想の自分になりきって手紙を出す。絵本作家になる夢を諦めて今後の人生に迷っていた洋輝も、婚約者のすすめで水曜日の手紙を書くことに。不思議な縁で交差した二人の手紙は、かかわる人々の未来を変えていく――。『夏美のホタル』『虹の岬の喫茶店』の著者が贈る、ほっこり泣ける癒やし系小説!
引用元:KADOKAWA「水曜日の手紙」
感想
「水曜日の手紙」は以下の目次で話が展開されます。
1章 井村直美の空想
2章 今井洋輝の灯台
3章 光井健二郎の蛇足
4章 井村直美の食パン
5章 今井洋輝の遺書
1~2章は登場人物たちが手紙を書くまでのお話です。手紙の書き手のままならない現状や他人を妬んでしまう気持ちが描かれています。
3章は転換点。水曜日郵便局に勤める父親と娘の話を通じて、水曜日の手紙がどういう存在なのかがよく伝わってくる章です。
そして4~5章では登場人物たちのその後、他の人からの手紙をもらった後のお話が語られます。小さく、あるいは大きく生活を変え、一歩前へ踏み出した登場人物たちの姿が描かれています。
正直に書くと、1~2章は読んでいて苦手だなと感じていました。
他人を羨やむ持ちは理解できるけど、妬んでドロドロした気持ちになって、それなのに現状を受け入れてしまう登場人物たちにイライラしてしまい…
『手紙書いて少しスッキリした気になっただけで終わり!?』と意地悪な気持ちで読んでしまいました。苦笑
でも、3章がよかった。
父娘が手紙をきっかけに正直な気持ちを伝えあう姿を見て、『手紙をきっかけに、行動を変え、未来を切り開いていく父娘は素敵だな』と思いました。
読み続けることに決めて4章以降を読んでみると、登場人物たちが手紙を書いてどう変わったのか、他人からの手紙を受け取って何を感じたのか、そしてその後どう行動したのかが書かれていました。
実際に何かを変えようと行動し、頑張っている登場人物たちの姿を見ることができ、すごく楽しく読むことができました。
なので、最終的な感想は『おもしろかった』です。
最終的には温かい気持ちで読み終えることができました。
私は前半部分を読んだ時に苦手意識を持ってしまいましたが、他人の状況が羨ましくて妬むような気持ちの時だったなら、きっと共感できただろうと思います。
今、そういう気持ちを抱えている人にとっては、自分の中のドロドロを理解してもらえてホッとするだろうし、慰められるはずです。
そして、登場人物たちが小さなきっかけで変わっていく姿を見て、自分も何かを少しだけでも変えようと背中を押してもらえるのではないかと思います。
おすすめ度&おすすめしたい人
おすすめ度 ★★★☆☆ |
- 他人が羨ましくてドロドロした気持ちを抱えている人
- そんな自分が嫌いな人
- ほんの少しでいいから今を変えたいと思っている人
お得に読む方法
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まとめ
「水曜日の手紙」は『水曜日郵便局』との手紙のやり取りをきっかけに、登場人物たちが未来を変える一歩を踏み出していく物語です。
今、ドロドロした思いを抱えている人は登場人物たちにきっと共感できると思うし、今を少しでいいから変えたいと思っている人は優しく背中を押してもらえると思います。
ぜひ読んでみてください。